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LINEいじめは「言葉遊びだと思う」 自殺した高1生徒めぐり校長が法廷で証言

都立高校男子生徒いじめ自殺訴訟

2022/02/02

 2015年9月27日、東京都立小山台高校1年の男子生徒Aさん(享年16)が、JR中央本線大月駅(山梨県大月市)で自殺した。

 Aさんの遺族が東京都を相手に損害賠償を求めている裁判が、東京地裁(清野正彦裁判長)で進行している。この問題をめぐっては、調査委員会が「いじめは確認できない」との報告書をまとめた。しかし、裁判の過程では、クラスの男子で作るグループLINEから事実上、排除されていたことが新たにわかった。また、Aさんの死後に実施されたアンケートの原本を校長が自ら破棄したことを認めた。

 2022年1月20日、原告や被告側の証人尋問が終わり、清野裁判長は和解協議を持ちかけた。次回は非公開の進行協議で和解を含めて検討するという。

いじめを認めなかった調査委の会見(2017年9月26日) ©渋井哲也

「学校が息子のSOSに気が付いたら、自死しなかったのではないか」

 訴状などによると、高校入学後の2015年4月から、Aさんは嫌がる呼び名で同級生から連呼されたり、無視などされていた。同年9月27日、大月駅のホームから飛び降り、電車にはねられ、死亡した。

 訴訟前に行った「個人情報開示請求」では、同年4~5月、Aさんが学校のアンケートに悩みを記載し、スクールカウンセラーの相談を希望していたことが明らかになった。9月には保健室を4回も利用していたことがわかったが、保護者への連絡はなかった。

 今年1月20日の尋問で、Aさんの母親は「(Aさんの死後)スマホ、Twitter、LINEを調べました。すると、いじめがあったことがわかった。学校が息子のSOSに気が付いたら、自死しなかったのではないか」と話した。母親は、クラウドデータを復活させることができ、部活動のグループLINEで、嫌がる名前を連呼されていたことが判明。その連呼が「テロ行為」と呼ばれていたことも指摘した。

原告(Aさんの母親)…裁判所前で ©渋井哲也

 亡くなった原因について弁護人に聞かれた母親は、次のように証言もした。

「いじめが原因だと思った。嫌がる名前に関しては何度も抗議していることが同級生の証言でわかっています。部活動のグループLINEで、連呼をされたのは息子だけ。部員たちはいじめと認識していたと思います。息子は歌が得意でした。しかし、合唱コンクールの練習で何度も注意されたことで、Twitterに〈自己嫌悪が凄まじい〉とつぶやいていた。水泳大会では、息子は水泳が得意ではないし、泳ぎ方が変と言われていた。Twitterには何度も〈ごめんなさい〉と投稿していました」