クレジットカードと変わらない驚愕の薄さ
このように、落とし物トラッカーとしての機能はAirTagと比べて一長一短なのですが、やはり本製品の最大の利点は、クレジットカードと変わらないその薄さです。例えば財布が盗難に遭い、中にトラッカーが残っていないか犯人が警戒して探し回っても、本製品の存在を知らなければ、まず気づくことはないでしょう。
既存の落とし物トラッカーにこれほど薄い製品はないだけに、極端な話、クレジットカードとしては一切使わずに、トラッカー機能に限定して使うのもありでしょう。2年目からは年会費がかかってくるのがネックですが(後述)、既存のクレジットカードを解約して本製品に一本化すれば、運用のコストは抑えられます。
ところで最近は、AirTagを第三者の荷物にこっそりと忍ばせ、自宅などの位置を探るストーキング行為が、世界中で問題になっています。本製品はAirTagと比べても薄く軽いだけに、悪意を持った第三者が誰かの荷物に忍ばせて、自宅の位置を探るために悪用されかねないのではと心配になるかもしれません。
しかし実際にはその可能性は極めて低いと考えます。理由は単純、本製品はクレジットカードと一体化しているからです。裏面を見れば所有者の名前も一目瞭然ですし、それ単体で簡単に買い物ができてしまうクレジットカードを、わざわざ他人の荷物に忍び込ませる人はいないでしょう。
将来、落とし物トラッカー機能だけを備えたカード製品が登場すれば話は別ですが、クレジットカードと一体化している限りでは、悪用される危険性は極めて低いでしょう。クレジットカード一体型である意味は、こうしたところにあるのかもしれません。
どちらかというとありそうなのは、将来的にこうした機能が、社員証などに内蔵されることです。現時点でそのような具体的なプランが発表されているわけではありませんが、社員証が居場所把握に使われ、何かあればアラートで呼び出される未来が来ることも、覚悟しておいたほうがよいかもしれません。