素直に「これスゴい!」と言える製品
ただしこれだけ画期的な製品ともなると、気になる点もないわけではありません。ひとつは電池寿命です。本製品内蔵のリチウムイオン電池の持続時間は最大約6ヵ月とされており、付属のカードリーダー型アダプタを使って、定期的に充電する必要があります。
そもそも1mmにも満たない厚みにリチウムイオン電池が収まっていること自体驚きなのですが、それだけに、頻繁に音を鳴らしていると残量がみるみる減るであろうことは、容易に想像できます。さすがに毎日の充電が必要なレベルにはならないでしょうが、その時点での電池残量を確認する方法がアプリに用意されていないのは、やや不安要素です。リアルタイムでパーセンテージ表示する機能くらいはほしいものです。
このほか、解約時の廃棄方法はひととおり説明書に書かれているものの、リチウムイオン電池を含む製品だけに、ハサミを入れる工程はやや危険を伴います。個人的には、ユーザ自身に廃棄させるよりも、返送する仕組みにしたほうが安全なのではという気がします。
また発行手数料5,500円に加え、2年目からは年会費1,375円がかかるほか、置き忘れて出掛けると通知が届くスマートアラート機能や30日のロケーション履歴が見られるプレミアム機能は有料(月360円)だったりと、完全買い切りのAirTagと比べるとコスト面ではやや不利です。
もっとも、それらを差し引いても、デジタル系のアイテムでこれだけ「これスゴい!」とカルチャーショックを受ける製品は、近年あまりなかったように感じます。もちろんAirTagとの併用もできますし、AirTagと違ってAndroidに対応するのも大きな利点です。
今回はまだ先行販売が終了したばかりで、思い立ったらすぐ買える状況にはありませんが、財布や名刺入れ専用のトラッカーとして、その実用性はピカイチです。気になったという人は、いつ販売が再開されてもいいように、心構えだけはしておいたほうがよさそうです。