耳を疑う衝撃の一言
「それで、このメッセンジャーのやりとりを見て、我々いろいろ検討したのですが。脅迫罪でいこうと思います。ただね。内澤さん。困ったことに内澤さんは、このやりとりを見ると、あんまり怖がってないんですよねー」
は? 相手をなんとか沈静化させようと、まともに戻ってもらおうという一念で、怖くて気持ち悪いのを必死に我慢して我慢して、相手がこれ以上の暴走を馬鹿らしいと諦めてくれそうな返事を考えて、説得しようと書き込んでいたからなんですけど? 決して怖くなかったわけではないのですが。
冗談じゃない。泣いたり怖がったりしなくても、怖いものは怖いし、不愉快なものは不愉快だ。私は子どものときから泣き虫で怖がりで、ほんのちょっとでも嫌なことがあると泣いていたために、親や先生から疎うとまれ、叱られ続けて、泣くことや怖がることが悪いことだと思い込まされてきた。
以来、嫌なことや怖いことを言われても、泣かなくなったし怖がらなくなったのだが、それは大いなる間違いだったのか。怖いことには怖いと言わねば、怖がっているという証拠にならないらしい。馬鹿らしい。我慢するだけ損、ということではないか。
閨房でのことを公にぶちまけると言いつのる行為が、「言われた本人が怖がっているように見えない」という理由で脅迫罪にならない? かもしれない? なんて。こんな気持ち悪いこと書かれて、平気なわけないじゃないですか。後々罪に問いたいならば、前もって大げさに怖がっといたほうがいいということ?
ついでに言えば、こんなセックスをしたことをばらしてやるなどという、下ネタ曝露のくそ気持ち悪い文言を、こうして第三者である男性警察官たちに読まれること自体が非常に不快だし、恥ずかしくて舌を嚙みたくなる。こういうの、セカンドレイプって言わないのかね。
とはいえ今さら婦人警官に担当を代えろとも言えない。どうしようもないから耐え忍んで平然憮然とした顔をしているだけだ。それを怖がっていないから罪に問えないかもと言われたら、どうしたらいいってんだ。