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アイスの開発にはどのくらいかかるのかというと…

 冒頭では「冬のアイス」を強く推しましたが、アイスはもちろん、夏にも美味しい食べ物です。夏にはさわやかな味わいのかき氷系だったり、乳脂肪分の少ないアイスミルクやラクトアイスグレードのアイスが多く発売されます。

 その一方で、今回取り上げたように、冬には乳固形分15.0%以上 (うち乳脂肪が8.0%以上) 入っている乳脂肪分の高いグレードのアイスクリームが発売されますから、その意味ではアイスは時代や旬を反映させる代表的なスイーツではないかと私は思っています。

 その証拠に、アイスストッカー(アイスショーケース)には、旬の果物だったり、過去にトレンドになったスイーツや清涼飲料水の企画がずらりと並んでいます。

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 例えば、2018年頃から2019年にかけて一大ブームになったタピオカミルクティー。2020年には、タピオカミルクティーをモチーフにしたアイス商品がズラーッと並びました。また、2020年頃から2021年にかけては、イタリアの伝統菓子「マリトッツォ」の企画が、各社から登場しています。

 ただ、そんな時代を映す鏡ではあるものの、コンビニでは残酷な一面もあります。コンビニに並んでいるアイスは、企画から製造まで、6ヶ月~2年間もの歳月をかけて生まれる商品です。

 その中で、我々の目に触れるタイミングはたったの2週間。そう考えると蝉の一生とよく似ています。だからこそ、私はスーパーやコンビニに立ち寄ったら必ずアイスストッカーにかじり付いて“季節感”を楽しみ、“このスイーツ流行っていたなー”と思いにふけります。アイスは年間を通じて単なるデザートではなく、季節やその時代を映す食材としての楽しみ方があるのです。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。