NHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』は、先週より川栄李奈演じる大月ひなたが3代目ヒロインとして活躍する「ひなた編」が始まり、ドラマも後半に入った。
ひなたは2代目のヒロイン、深津絵里演じる大月るい(旧姓・雉真)とジョーこと大月錠一郎とのあいだに生まれた娘だ。ひなたの父・ジョーは、戦災孤児として育ち、かつてはジャズトランぺッターとして将来を嘱望されながらも挫折していた。しかし、そんな自分を受け入れてくれたるいと結ばれ、京都で回転焼き屋を開業する。
ジョーを演じるにあたって、安子編を観た理由
ただ、ドラマで描かれるかぎりでは、店はるいに任せきりで、ジョー自身は毎日子供たちと遊んだりブラブラしているようにしか見えない。こう書くと、まったくもってダメ人間だが、劇中の彼は飄々として妙に魅力的である。その理由には、演じているのがオダギリジョーということも大きいのだろう。きょう2月16日はオダギリの46歳の誕生日である。
オダギリにとっては本作が朝ドラ初出演となる。作中のジョーはその名のとおり、脚本家の藤本有紀が彼を念頭に書いた役と伝えられるが、本人はそのオファーに当初、インディーズ志向が強く《どちらかといえば、映画館や夜中の暗さがしっくりくる》タイプの自分がNHKの朝の顔であるドラマに参加していいものか悩んだという(※1)。それでも引き受けたのは、同業者として尊敬する深津絵里と共演できるからだった。
ジョーの役づくりにあたっては、自分がまだ登場しないドラマ前半のヒロイン・上白石萌音演じる安子(るいの母親)の半生を描いたパートを見ることが何より参考になったという。これについて彼は次のように説明する。