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 海苔だけは素材が異なる(塩化ビニル製)ため、プラモデル用の接着剤ではうまく留まらない。ここには別途、ボンドや瞬間接着剤などを使う必要がある。

米粒がランナーにずらりと並んだ様子は壮観。ニッパーを使わず、手でちぎることも可能だ

 プラモ作りのテクニックに、ランナーとパーツとの接合部分を目立たなくする「バリ取り」がある。「寿司プラモ いくら」の場合にも、こだわる人ならばバリ取りをしたいところだが、どうせ見えなくなるので正直どちらでもいい。「それが楽しいのだ」という人は、ぜひともやろう。

設計者によれば、海苔の接着にはグルーガン(スティック状の樹脂を熱で溶かしたグルーで、木材や布などを接着させる道具)を使うのがベストとのこと。ボンドや瞬間接着剤でも接着できるが、模型用接着剤ではうまくくっつかなかった

 ただし、米粒のバリにはヤスリが有効だが、いくら部分にヤスリが当たると一気に光沢がなくなってしまうので厳禁である。

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所要約90分…ついに完成!「いくら軍艦」

 そうこうするうち、90分程度で「いくら軍艦」は完成。身構えてかかったものの、悪戦苦闘といったこともなく拍子抜けした。海苔を壁に見立てた組み立てが可能で、なおかつシャリの手抜きが外見に現れないので、「まぐろ」や「かっぱ巻き」と比べると難易度は低いほうだろう。塗装不要というのも、初心者にはありがたい。

「1/1スケール」とされるとおり、実際の軍艦巻きと違わない大きさで完成する
1円玉と比べてもこのとおり。物足りない人はもう1つ作ろう

 基本的には、ひたすら米粒といくらの粒をくっつけていく作業。目指すゴールは“寿司”と決まっているので、オリジナリティを発揮する余地はあまりない。言うなれば答えのわかりきっているパズルを解くようなものだが、しかし意外なほど楽しく、無心になって作ることができた。

 この感覚ばかりは「やってみないとわからない」としか言えないが、子どもの頃にサッカーよりもテトリスが好きだった人には特にオススメできる。2つ3つと作り、並べてみるのもいいだろう。

海苔の壁の中でシャリが固定されてしまえば完成は間近。他の「寿司プラモ」と比べても簡単だ

 なお筆者渾身の作である「いくら軍艦」は現在、文春オンライン編集部のデスクで際立つアクセサリーとなっている(接着剤の臭いがすごいらしい)。精巧な出来のため、食べ残しと間違えて捨てられないことを祈るばかりである。