現役のキャバ嬢にはネガティブな投稿のほうが響く

──現役キャバ嬢やキャバクラに関わる方たちは、Twitterの投稿をどうご覧になっているのでしょうか。  

茅原 あまりほのぼのマンガが続くと、現役のキャバ嬢から反発されるのではないかと、いつも気にはしています。実際、あまりにハッピーな投稿ばかりが続いた時に「みんなこんなに楽しそうなのに、私はちっとも楽しくない」とへこんでしまったキャバ嬢さんがいたみたいなので……。

 そういう意味では、現役の夜職の方には、ネガティブ投稿のほうが反応があります。「自分だけ変な客にあたったわけじゃない」と安心するんじゃないでしょうか。それだけみんな大変な思いをしながら、笑顔で接客しているんだと思います。  

ADVERTISEMENT

「現実では、リキヤくんみたいに頑張っているけど方向性を見失ってしまうダメな子がちょっと好き」という茅原さん (歌舞伎町のキャバクラ「WMWM(ウェーブ)」にて)

──キャバ嬢がイヤな思いをするのは、世間が「キャバクラ」を正しく理解していないという部分も大きいと思われますか?

茅原 「キャバクラはおさわりNG」ということを知らない人もいるし、堂々とセクハラをしてもいい場所だと思って来る方もいますので、いろいろ誤解があるとは思います。  

 私がキャバクラで働いていた時も、「キャバ嬢は金に汚くて、性に奔放」というイメージで接してくるお客様がたくさんいましたよ。そんな「常識外れ」な客でも、ふわっと受け止め、うまくあしらえるのが一流のキャバ嬢さんなのかなと思います。

かわいいと人気が出て「ユリちゃんは自分がモデル」と言えなくなってしまった (笑)

──現役時代、そういう一流のキャバ嬢は実際にいましたか? マンガの登場人物のなかに、実在のモデルがいれば教えてください。  

茅原 リュウさんはモデルがいます。農家の方なんですけど、ほんとにあのキャラクターのままです。オーナーとして登場させました。実在の人をモデルにすると、キャラ立ちしているので使いやすいんですよ。

 アヤネちゃんとミライちゃんも、実際にお店で働いていた時の売れっ子嬢がモデルです。アヤネちゃんのモデルになった子はいつも自信満々で、お客さんも従業員もなんとなく彼女の言うことを聞いてしまう感じ。でも面倒見が良い一面も。いい意味でボスザルみたいでした。女にも男にもモテるボスザルのような人が、結局客からも好かれるってことなのかもしれませんよね。