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――それは、もはや副業にしてもいいレベルの話ではないかと。ちなみに、お召しのシャツは佳之介さんが?

暁之進 これは普通に。

佳之介 既製品です(笑)。

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マジシャンになるきっかけは「父の一言」

――衣装制作のように、マジックもなにかしらのきっかけがあって段々と習得していった感じになるのでしょうか? マジシャンのお父様(北見伸)の道具をおもちゃ代わりにして育ったとか、勝手にそういったストーリーを期待してしまうのですが。

佳之介 子供ながらにマジックの道具は大事な仕事道具だと理解していたので、あまり触らないようにはしていました。それでも、家のなかにはおもちゃよりもマジック道具のほうがたくさんあったから、それを使って遊んではいましたね。普通にステッキやカード、ニセモノのヘビ、シルクのハンカチとか。

©文藝春秋

暁之進 シルクは家にいっぱいありましたね。ステージで使った汚れたものを拾ってきて、それでマジックの真似事をしたり。あと、段ボール箱でも遊んでましたね。

佳之介 昔のブラウン管のテレビや冷蔵庫が入ってたような大きな段ボール。捨てるやつを引っ張り出してきて、ホウキや傘を刺して“剣刺し”のマジックを真似たり。

――お父様としては、マジックの道具で遊ぶのは嬉しかったのでしょうかね。

佳之介&暁之進 どうなんだろう。

佳之介 マジシャンにする気はなかったとは言ってましたけどね。放っておいたら、僕らが勝手にやるようになったみたいです。

©文藝春秋

――お父様は、マジックの練習は自宅でされていたのですか。

暁之進 壁が鏡張りのリビングだったので、そこで練習することが多かったですね。あるいは大がかりなイリュージョンは貸倉庫でやっていたという感じです。

佳之介 母によれば、そこで父がお弟子さんたちに教えているのを、僕らが座って見ていたそうですけど。

――佳之介さんが小1、暁之進さんが年長の時に、お父様のステージに立ったのがデビューに?

佳之介 その前の年に、僕だけが初舞台を踏んでいるんです。父の北見が子役を探していたけど見つからないので、僕に「やってみる?」と。それを弟が観て、「自分もやりたい」と言い出して。翌年に父の弟子が主演のミュージカルに兄弟で出て、そこでマジックをやったのが山上兄弟のデビューになります。