小学生のマジシャン兄弟として人気を博した、山上佳之介(27)と山上暁之進(26)の山上兄弟。

 昨年にはデビュー20周年を迎え、現在は舞台俳優としても活躍している彼らに、思春期の頃にあった兄弟喧嘩、落語芸術協会入会への経緯、現在は披露するのが難しいネタなどについて、話を聞いた。(全2回の2回目/1回目を読む)

山上佳之介さん(左)と暁之進さん ©文藝春秋

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コロナ禍で10キロ増量、マジシャンならではの悩みが…

――小学生時代にブレイクしただけに、学校のクラス会やお楽しみ会ではマジックをやらされたりしたものですか。

佳之介 それはやらない方向でいたよね。

暁之進 やりたくなかったけど、結局やらされたというか。先生に言われて、最初のうちは言うことを聞いてましたけど、「もういいや」とやらなくなりました。そもそも、僕は兄とマジックをするときも、箱とか道具に入る担当ですし。

佳之介 「箱に入る担当」って言いましたでしょう。でも、最近は体がでかくなって箱に入らないんですよ。衣装も着られなくなって、本当に困ってるんです。

暁之進 コロナ禍で動かなくなったせいで、10キロほどパンプアップしちゃって(笑)。いま、家族のなかで僕が一番体格がいいんです。

©文藝春秋

――箱に入るマジックというのは、“剣刺し”みたいなものですよね。体が大きくなって箱に入れなくなって困るのはわかりますけど、そのほかに生じる弊害というのは?

暁之進 箱や道具がでかすぎると、不思議さがなくなるんですよ。

佳之介 「あの大きさなら、隠れられそうだよね」って思われちゃう。

暁之進 剣を刺した時も「あの大きさなら、よけられるよね」とか。だから、小さい箱に体の大きいほうが入っていく僕らは同業者から驚かれます。普通の成人男性ぐらいの体格の人が入るケースって、なかなかないんですよ。

――中学生、高校生あたりになると、同級生から絡まれたりしませんでしたか。「おまえら、山上兄弟だろ」とか「おい、“てじな~にゃ”やれよ」みたいな。

暁之進 僕らの地元は、まぁまぁ治安がいいほうだったので。あと、中学は目黒にある私立校に通いましたから。

佳之介 日出です。いまは、校名が目黒日本大学中学校に変わっていますけど。

暁之進 芸能界の子たちが多かったので、絡まれるみたいなことはないですよね。友達であり、ライバルであり、これから一緒に頑張ろうという感じで。