小学生のマジシャン兄弟として人気を博した、山上佳之介(27)と山上暁之進(26)の山上兄弟。

 昨年にはデビュー20周年を迎え、現在は舞台俳優としても活躍している彼らに、マジックとの出会い、デビューの経緯、ふたりの代名詞でもある掛け声「てじな~にゃ」の誕生などについて、話を聞いた。(全2回の1回目/2回目を読む)

山上佳之介さん(左)と暁之進さん ©文藝春秋

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コロナ禍で19年ぶりの「収入ゼロ」の月があった

――2021年にデビュー20周年を迎えましたが、せっかくの節目の年にコロナ禍に見舞われて。

山上暁之進(以下、暁之進) 2020年の4月、5月、6月は、寄席もその他の公演も全部ストップしちゃったので大打撃でしたね。19年ぶりの無収入というか、デビュー以来の初めての収入ゼロという月がありました。

――芸能を仕事にする方たちに対する補償も、これといって打ち出されないままですよね。

山上佳之介(以下、佳之介) こういう時は、娯楽がやっぱり最初に切られますから。

©文藝春秋

暁之進 もちろん飲食業の方々も大変ですけど、一方で娯楽のほうもずっと大変なままで。“人を集めちゃいけない”が大前提なので、難しいですね。

――動くに動けなくて悶々とされていたと思います。

佳之介 我々は、YouTubeをやってたね。

暁之進 やってましたね、当時。そんなに伸びたわけじゃないんですけど。

見よう見まねでコスプレ用の衣装を作るように

――「ここがあったか!」と。

佳之介 ただ、YouTubeではマジックしてないもんね(笑)。

暁之進 君の好きなものをやったり、話したりするだけっていう感じ。

佳之介 ドラマCDも制作しましたね。僕たちが主役を務めて、山寺宏一さんや神谷明さんと一緒に朗読劇『ピエールと魔法の杖』を作ったんですよ。

©文藝春秋

――衣装制作もされていたそうですね。

佳之介 高校の文化祭で、ちょっとコスプレのパフォーマンスみたいのをやって。それがきっかけで趣味になってしまって、見よう見まねでコスプレ用の衣装を作るようになったんです。

暁之進 いまでこそコスプレ用衣装は売ってますけど、当時は作るしかなかったからね。

佳之介 裁縫の学校に通っていたわけではないんですけど、自分で作るほうがきれいにできるなと思う時があって。それで去年6月には、声優さんから登壇イベント用衣装の制作依頼が来まして、11着分を作りました。自分たちのステージ衣装はプロの方にお願いしてますけどね。