――そうなると、マジックよりも「てじな~にゃ」を求められる場面も少なくなかったのでは。
佳之介 中学生になってですかね。テレビに出ると、一発ギャグのように捉えられていて「ほかには、何かないんですか?」とか言われましたね。
暁之進 「違うネタないですか?」「マジックのですか?」「いや、マジックじゃなくて『てじな~にゃ』以外でネタないですか?」「一発ギャグじゃないんですけど」って。
佳之介 「あのう、これは“魔法の言葉”なんです」と説明してね。
暁之進 でも、やっぱり「できません」とは言えないですから。一緒に局の人と「てじな~にゃ」に代わるものを考えましたけどね。
佳之介 やったところでウケないのは、僕らはわかっているんですけどね。
暁之進 テレビ局さんがOKなら僕らは全然やります、っていうスタンスでやってましたね。
兄は27歳、弟は26歳…「てじな~にゃ」の現在
――あのポーズは、微妙にアップデートされていたりしますか?
佳之介 アップデートはないですけど、CMに出た時は速さを変えたりしましたね。
暁之進 あと、画角に合わせて手足の位置をちょっとズラすとか。
佳之介 とりあえず、やる数は減ったよね。最初はマジックが終わるごとにやってたけど。いまは、ステージで1回しかやらないこともあるし。
暁之進 正直、忘れることもあります(笑)。
佳之介 忘れたステージに来てくれていたお客さんが「もう『てじな~にゃ』やらなくなっちゃったのかな……」とツイートしているのを見て、「あ、やり忘れていた!」みたいな。
暁之進 「ごめんなさい」って謝りました。
――ちなみに「てじな~にゃ」は、商標登録されているんですか。
マネージャー デビューして人気がワーッと出てきた時期に、「山上兄弟」という名前だけは商標登録しました。なにかしら悪さをされるかもしれないからやっておいたほうがいいよと言われて。商標登録って10年間で切れるので、更新するんですよ。でも、10年たった段階でなにもなかったので更新もしませんでした。「てじな~にゃ」に関しては、考えたプロデューサーさんがいる話なのでなにもしていません。
佳之介 ということなんです。仮に誰かが商標登録をして使い出しても、こちらとしては勝手に宣伝してもらえるようなものかなって。
暁之進 僕らの存在が、より広がりますよね。
――今年は寅年、トラはネコ科。となると、「てじな~にゃ」を忘れるわけにもいかないですよね。
暁之進 どんどん僕らを出してください、どんどん使ってください、ですよ。
佳之介 ネコ科なのはもちろん、2022年でニャンニャンニャンだし。着ぐるみでも何でも着ます(笑)!
写真=末永裕樹/文藝春秋