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――それは感じますか。

佳之介 子供の頃は、いろいろと新しいマジックにチャレンジさせてもらえましたけど、大きくなってからは「これをやりたい」と言っても「もういいよ」とにべもない返事が返ってきます。

「君らはタレント」…先輩マジシャンの厳しい言葉

――“子供の冠”が取れて、一介のマジシャンとして見られて嬉しいところもあるわけですよね。

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佳之介 僕らって、そもそもマジシャンからもマジシャンと思われてないし。なんか不思議だよね。

暁之進 「君らはタレント。タレントがマジックをやってる」って、マジシャンから言われるんですよ。で、タレントさんからは「君らはマジシャンだから」って言われるんですよ。どこにいればいいんですか、っていう(笑)。

佳之介 ただ、自分たちとしては活動の幅に制限を掛けるつもりはなくて。マジックはお仕事としてやらせていただいているし、ショーのステージに立つのも好きですから。でも、お芝居もしたいですしね。お笑い芸人さんは、司会もして、ドラマのお芝居も出てオッケーなのに、自分たちはなんでマジックしかやっちゃいけないの、と思うことはあります。

©文藝春秋

暁之進 僕ら自身としては、マルチに活動できるポジションと思っているんですけどね。

佳之介 「結局、なにがしたいの」ってよく言われるんですけど、「みなさんも、いろんなことされてるでしょ?」っていう。僕たちもいろんなことをしたい。楽しいことをしたいだけなんですよ。

――ちなみに確定申告の際、職種にはなんと書かれます?

佳之介 タレントです。

暁之進 会計士さんにお任せしちゃってるんですけど、僕もずっとタレントですね。

佳之介 気分によって変えているから、なんとも言えないですね。それこそ俳優業が多かったりした時期は、俳優と書く場合もありますし。

暁之進 じゃあ、声優もやってるから、そのうち声優って書く時もある?

佳之介 あるかもしれない。声の仕事もしているので。屋号というか、職業の欄が、我々は決まってないので自由なんですよね。

暁之進 そうだね。マジックだけにこだわってはいないので。

写真=末永裕樹/文藝春秋