佳之介 売れっ子になると、2年生を過ぎたあたりでクラスから人がいなくなるんです。
――おふたりも忙しかったと思いますが。
暁之進 やっぱり、仕事で休むことはありましたね。海外にも行っていたので。
佳之介 その頃は海外のショーに出て、グランプリをもらったりしていましたし。
思春期には兄弟喧嘩も…互いに顔だけは殴らなかったわけ
――中学、高校の思春期に突入すると「やってられない」とか、荒んだりはしませんでしたか。
佳之介 それはなかったです。
暁之進 思春期ならではの兄弟喧嘩で「やってられない」と思うことは全然ありましたけど。
佳之介 でも、それ以外でやりたくないというのは、マジックに関してはないですね。
暁之進 いまもないですし。でも、中学生の頃は喧嘩が多かったです。
――男兄弟だと、取っ組み合いの喧嘩もありますもんね。
暁之進 お互いに、顔は傷つけないように喧嘩しましたね。
佳之介 そこは商品なので。
暁之進 相方でもあるし。僕が箱に入っても、誰も剣を刺す人がいなければ困るので。だから、「こいつ、ムカつく!」と思っても、顔面を殴るとかボコボコにしてやろうとまではいかないです。
佳之介 やっても、せいぜい箱に剣を刺すスピードを速くしたりとか。
暁之進 人体交換のマジックで、先に僕が箱に入って、その次に佳之介が入るんですよ。なので、僕が箱に入ってる時にオナラをして、佳之介が箱に入ったら外でわざとゆっくり動いて悶絶させるとか(笑)。
楽屋では喋らない、目も合わせないなんてこともありました。それでも本番では、普通にやってましたけど。
佳之介 喧嘩中は、本番でも目を合わせてなかったよね。
暁之進 よくできてたなって思いますね。いまなんか、本番中におしゃべりしてますもん(笑)。
佳之介 次のネタはこれにしようかとか、いろんな打ち合わせをしながらマジックを披露してるんです。
――喧嘩している時のマジック、そうではない時のマジックの出来に違いは?
佳之介 そんなことはないと思います。ほとんど一緒だよね。やっぱり仕事をしているので。お客様には僕らの喧嘩なんて関係ないですから、それをマジックに影響させるのは許されないですよね。
暁之進 「いつもと間合いが違うな」とは、お互いにわかるんですけど。でも、しっかりやります。