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コーチと選手の関係性の難しさ

――最近の話になりますが、北京で行われた冬季五輪で、フィギュアスケートロシア五輪委員会代表の選手とコーチとの軋轢が話題になりました。現役時代にそうした選手とコーチとの間での問題を感じたことはありますか?

新海 コーチと選手……。一番難しい関係であるとは思います。やっぱり男性のコーチ、女性のコーチでぜんぜん違う。

 

 私は女性コーチにみてもらったことはないんですけど、女性コーチは同性だからズバズバいくんですよね。女の子ならではの問題、たとえば生理事情とかもわかるじゃないですか。でも、男性は女の人の生理の痛みってわからないですよね。だから「痛い」って言ったら「そっとしておかなきゃ」っていう対処しかないんです。

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「あなたたちは水泳界しか知らないじゃん」

新海 それ以外で言うと、いくら指導力があっても「人としてどうなん?」と思うコーチも結構いました。

女優デビューに際して自伝『あたらしい海』(SOD publishing)も発表した

 コーチってどの競技でもそうだと思うんですけど、ずっとその競技を(選手として)やってきて、コーチになっている人が多いんですよ。何も競技経験がないのに、コーチになる人はいない。要するに、コーチのほとんどは、水泳界しか知らないんです。水泳についての指導はもちろんタメになるし、わかりやすい。けど、これからの人生について説教されたりすると「いや、外の世界については何も知らんやん!」みたいに思っていました。

 いま私がこうしてAVに出ていることも、かつてのコーチや選手に色々と言われていると思います。でも、そういう反応には「え? でも、あなたたちは水泳界しか知らんやん」って言いたいですね。

 小さい頃から全国大会に出たり、学生で世界大会に行ったりしていると、世界の色んなところに友達というか知り合いができていて、周りからすると「いろんな世界を知ってるんや」と思われがちなことも多いんです。選手自身もそう思いがちというか。

 けど、実際は段々いろんな選択肢がなくなっているように感じて。水泳を続けることで、視野が狭く深い世界に突入し続けてるんじゃないかな? みたいな気持ちになっていきました。アスリートって、セカンドキャリアのほうが長いのに。