文春オンライン
「設楽統は貯めたお釣りでちゃっかり革ジャンを…」コンビを付き人として雇っていた渡辺正行が語る“バナナマン結成前夜”

「設楽統は貯めたお釣りでちゃっかり革ジャンを…」コンビを付き人として雇っていた渡辺正行が語る“バナナマン結成前夜”

『関東芸人のリーダー お笑いスター131人を見てきた男』より #2

2022/03/13
note

芸人がテレビに出たくない?

「なんでテレビに出ようとしないんだ?」

「僕たちはライブを中心にして、いいコントを作っていきたいんです」

「お前らさ~、なんのために、この世界に入ってきたんだよ。有名になるためじゃないのか?」

ADVERTISEMENT

「……」

「確かに、ライブにこだわる気持ちは分かるけど、テレビに出て名前が売れれば、ライブにもお客さんがどんどん来るし、さらに売れるじゃないか!」

「いや、僕たちは~、テレビに向いていないから、あんまり出たくないんですよね~」

「えーっ!? 芸人がテレビに出たくないなんて、俺には理解できないよ……」

 まさに“コント職人”と呼ばれ、毎年のように単独ライブを開催して、新しい笑いを追求しているバナナマンらしいが、今では、そんな二人がテレビで活躍を続けているのも面白い話だ。

「バナナマンのせっかくグルメ!!」(TBS系)公式HPより

 まあ、出たくないと言いつつも、断り切れないテレビ出演もあるわけで、少しづつ経験していくうちに、彼らなりに、自分の立ち位置やキャラクターなどを身につけていったのだろう。

 たとえば、設楽が、

「日村さんは、オットセイに似てるんですよ~」

 と振ると、日村がマネをして笑いを取る。そんなふうに、設楽が振って、日村が落とすというパターンができて、自信がついたのかもしれない。

 特に設楽は、現在、朝の情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)の司会として、平日は毎日出演しているし、調査会社が発表した「2021年テレビ番組出演本数ランキング」では1位になったという。

 いったい、あのときのテレビうんぬんのやりとりはなんだったのだろうか……。

 でもまあ、まがりなりにも、俺の付き人だった二人がコンビを組み、ここまで超売れっ子になったことは、本当にうれしい限りだ。

 それもこれも、独自の信念や世界観を持ち、頑なに貫いてきたからこそ、たどりついた領域と言っていいだろう。

「設楽統は貯めたお釣りでちゃっかり革ジャンを…」コンビを付き人として雇っていた渡辺正行が語る“バナナマン結成前夜”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー

関連記事