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「沈黙のコスト」があまりにも大きすぎる

――ロシアとの停戦交渉についてはどう思いますか。

 交渉によって攻撃の頻度を少なくすることには効果があるかもしれませんが……。私も私の家族もロシアのことを全く信用していません。信頼関係が皆無の今、何かが解決するとは思っていません。

――ウクライナはなぜNATOに入りたいのですか。

 もともとウクライナは西側というより東側に寄っていたのですが、2014年のウクライナ騒乱を契機に西側志向が強まり、NATOに入るという考え方に変わりました。今回のロシアによる侵攻を受けて、NATOに入るという意識はより強まっていると思います。ロシア人の一部は、ウクライナの中にはNATOのスパイがいてすでにNATOの一部だと言っています。ですがそんなことはなく、今戦っているのはウクライナ人だけです。ウクライナが西側諸国のために戦っている気持ちでいます。

 NATOが介入すると第三次世界大戦になるという見方がありますが、もう既に第三次世界大戦は始まっていると思います。戦っているのはウクライナだけですが、西側を背負って自由と民主主義のために戦っているのです。ウクライナは勇敢で士気も高いけれども、力という意味ではロシアには敵いません。世界からの支援が絶対に必要です。

リヴィウ駅に到着。双子の姉妹・アンと共に

――ロシア人が嫌いなのか、それともプーチンが嫌いなのか。ロシアに対する今の感情を教えてください。

 戦争が起きる前までは、ロシア人にはシンパシーを感じていました。政権を批判したら捕まってしまうなど厳しい状況の中、みんなよく頑張っていると思っていました。ですが、今回の侵攻によって「沈黙のコスト」があまりにも大きすぎると感じました。いろんな理由はあれ、プーチンは22年もその体制を維持しています。その間に本当に何もできなかったのか。声を上げてこなかったロシア人によって、今のプーチンは存在している。そのことは強調したいと思います。2014年の動乱で、ウクライナ人は自分たちの自由を獲得するために血を流して戦いました。ロシア人はどうでしょうか。あまりにも行動、努力が足りないように思ってしまいます。裏切られたように思っています。確かに、プーチン大統領は常軌を逸した人物です。ですが、その彼を倒せていないことによって今ウクライナで血が流されていることを理解するべきだと思っています。

 今、一番必要なのは、ロシア軍に帰ってもらうこと。ただそれだけです。ロシアが何を言ったところでウクライナは独立した尊厳ある国家です。そのことを認めて早急に撤収して欲しいです。

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