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「それ、誰が欲しがるの?」青山の246号線でテールランプを追った日々から25年…「グランツーリスモ7」の現在地

「それ、誰が欲しがるの?」青山の246号線でテールランプを追った日々から25年…「グランツーリスモ7」の現在地

2022/03/05

genre : エンタメ, 娯楽

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発売から25年…シリーズの現在地

 自動車業界だけではありません。スペインの古都・ロンダには、山内さんの名前を冠した通りがあります。「グランツーリスモ6」に、ロンダを収録した功績をたたえたものだそうです。シリーズ第1弾の発売から25年の間に、「グランツーリスモ」は企業から都市から、国を超えて影響力を持ったタイトルに成長したのです。

 最新作「グランツーリスモ7」、とりわけPS5版では、はるか遠くのコースの状況も視認でき、雨のしぶきによる視界の悪化まで再現した精緻なグラフィックが売りになっています。

 

 車のメタリックなボディーの輝き、路面の水たまり・乾き具合なども再現され、コースを走行中に晴れから雨に天候が移り変わるのはもちろん、夜のコースでは星空の動きすらも反映しているといいます。

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 天候コンディションの変化は、タイヤのグリップやエンジンにも影響するというこだわりようで、ゲーム画面のスクリーンショットを見ても、文字通り本物と区別がつかない瞬間がしばしばあります。

 しかし、本作で特筆すべきは、こうしたグラフィック面ばかりではありません。ファンはもちろん、自動車を知らない初心者にも楽しめるように設計し、さらに自動車の文化と歴史をも伝えようとしていることを、忘れてはいけないのです。

「グランツーリスモ」は、19世紀に欧州で貴族の子弟たちが見聞を広めるために旅に出ることを指す言葉でした。そう考えると、シリーズは25年を経て見た目は別物に進化はしていますが、自動車の楽しみを広める役割を担い続けています。タイトルを体現した、原点回帰的な作品なのです。

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写真=Gran Turismo 7 ©2022 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. “Polyphony Digital logo”, “Gran Turismo” and “GT” are registered trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. Any depiction or recreation of real-world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. All rights reserved.

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