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「女の子は半歩後ろの方が好きかな」好感度が高すぎる「ぐるナイ俳優」高杉真宙は“モラハラ男” 中性的な“闇美しさ”が最も恐ろしいワケ

2022/03/10
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 だからこそ、「自分のために言ってくれている」と思い込み、彼の理想像に近づこうと必死になったり、「もしかしたら自分が悪いのかも」と追い詰められてしまったりする女性がいるのだろうと想像される怖さ。ある種の洗脳で、宗教のようで、実はこれが“モラハラ”の一種のリアルかもしれないと思わせるのが、高杉真宙のナチュラルな「闇美しさ」の力なのだ。

闇美しさにハマってしまう中毒性とは

 高杉といえば、『仮面ライダー鎧武』(2013年/テレビ朝日系)において、可愛らしい顔をした優等生ながら、大切な人を守るために戦いに身を投じ、嘘を重ねるうちに徐々に闇落ちし、暴走してしまう変貌ぶりが注目を浴びた。その中毒性ある闇美しさに恐れを抱きつつ、ハマってしまった視聴者は多く、いまだに彼を鎧武での呼び名「ミッチ(光実)」と呼ぶ人も多い。

『仮面ライダー鎧武』に出演する高杉真宙(番組公式サイトより)

 高杉真宙が『ぐるぐるナインティナイン』の人気企画「グルメチキンレース ゴチになります!」の新シリーズ「ゴチ23」の新メンバーとして発表された際には、SNSトレンドに「鎧武」「闇堕ちミッチ(光実)」「闇ミッチ」などが溢れたほどだ。

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 また、映画『散歩する侵略者』(2017年)では、快活かつ爽やかに平然と人を殺す宇宙人役を、浜辺美波・横浜流星W主演の『私たちはどうかしている』(2020年/日本テレビ系)では、ヒロイン・七桜の唯一の味方だと思われていたところから、実は裏切り者であることが発覚する「闇落ち」を演じた。

『おいハンサム!!』に出演する高杉真宙(ドラマ公式サイトより)

 強い印象を残したのが、木村文乃が振り込め詐欺捜査に挑む刑事を演じた『サギデカ』(2019年/NHK土曜ドラマ)で演じた、振り込め詐欺の「かけ子」の加地役。脚本を手掛けたのは、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』などの脚本家・安達奈緒子で、高杉は「爽やかで聡明そうな好青年」として登場する。そこが怖いところで、そんな爽やかで聡明な普通の好青年が振り込め詐欺の「かけ子」をしているという意外性にゾクッとし、徐々に見えてくる家庭環境などの背景に、深い悲しみを覚えた。

 もう一つ、今クールドラマで中性的な美しさと不気味さ、怖さを放ったのが、坂井恵理の同名人気漫画を山口紗弥加主演×大九明子監督で連ドラ化する『シジュウカラ』(テレビ東京系)に出演した板垣李光人(20)だ。