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「女の子は半歩後ろの方が好きかな」好感度が高すぎる「ぐるナイ俳優」高杉真宙は“モラハラ男” 中性的な“闇美しさ”が最も恐ろしいワケ

2022/03/10
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「18歳差不倫」で見せた“闇可愛い”男の子

 板垣が演じているのは、山口が扮する40歳の売れない漫画家・綿貫忍と「18歳差の純愛」で「不倫」をするアシスタント・橘千秋役。複雑な家庭環境で生まれ育ったことにより、大人たちに対する怒りや憎しみから、復讐心を抱いている役柄だ。

『シジュウカラ』に出演した板垣(番組公式サイトより)

 これまで板垣のイメージというと、NHK大河ドラマ『青天を衝け』の徳川昭武や、吉川愛とのW主演作『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売テレビ・日本テレビ系)で演じたメイクとファッションを自由に楽しむ男性・周(めぐる)などの美しさ・上品さが大きいだろう。

 しかし、『シジュウカラ』では、一見中性的で整った美しい顔立ちながら、料理の食べ方が意外に粗野だったり、服の着方やリュックの置き方など、何気ない部分に雑さや乱暴さがチラリとのぞいたりする闇深い怖さがある。そして、それは千秋の家庭環境による影響なのだという悲しみが、徐々に見えてくるのだ。

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愛しすぎる悲しい過去を背負った美少年

 もう一人、「闇美しい」俳優の注目株として、昨年10月期の人気ドラマ『最愛』(TBS系)で、吉高由里子が扮する主人公・梨央の弟・朝宮優を演じていた高橋文哉(20)を挙げたい。

『最愛』に出演した高橋文也(番組公式サイトより)

 朝宮は梨央の9歳下の異母弟で、事故による記憶障害を持っており、幼い頃、梨央が襲われているところを見て、相手を刺してしまったことを記憶障害で忘れてしまっていた。記憶が蘇ってからは失踪し、梨央を守るために「情報屋」をするなど、悲しい過去を背負い続けていた愛おしい存在だ。

 そんな彼は、和山やまの同名コミックを原作としたドラマ『夢中さ、きみに。』(2021年/ドラマ特区)では、過去にモテすぎて嫌な思いをしたことがトラウマになり、「逆・高校デビュー」を目指して制服の上着をズボンにインするなどの奇妙なセルフプロデュースで学園中から不気味がられるという難役を闇可愛く演じていた。

高橋文也(『最愛』公式Twitterより)

 田中圭主演ドラマ『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)では、高いIQを誇る優等生で、検察トップの父を持つ超エリートながら、裏ではクラスを牛耳るリーダーとして先生を消す提案をする刀矢を狂気じみた表現で熱演していたのも、記憶に新しい。

 振り返れば、昔から「闇美しい」役柄は、ドラマや映画に存在した。