お寺を明るくて楽しい場所に…住職が叩く木魚は「ウルトラマン」
愛知・幸田町に、50代の職人が作る様々なデザインの仏壇が、国内外から注目を集めている。
仏壇業界は今、生活様式の変化で仏壇を継承せずに廃棄する家庭が増えるなど、変革を迫られている。この仏壇職人の男性は、耐久性にも優れ、住宅事情にも左右されないコンパクトな仏壇を開発している。
愛知・愛西市にある大法寺(だいほうじ)は、創建470年以上という由緒ある浄土宗のお寺。そんな歴史あるお寺の住職が叩く木魚は、ウルトラマンの顔をしている。その下に敷かれた座布団にはカラータイマーも付いている。
住職の男性:
お寺って来たくないでしょ。でもこういうものが1つあるだけで、お寺が明るくて楽しい場所になる
愛知・幸田町で三河仏壇の製造販売を手がける「都築仏壇店」。徳川家康のふるさと・岡崎で生まれたとされる三河仏壇は、豪華な装飾が特徴の伝統工芸品。ウルトラマンの木魚を作ったのは3代目の都築数明さん(50)だ。
都築数明さん:
円谷プロ50周年の時に、“50人のアーティスト”の中の一人に選んでもらい作った。木魚を見ていたらウルトラマンっぽいなと思いまして
「ウルトラ木魚」(大)は100万円で、(小)は9万1800円。
さらに都築さんは、和田アキ子さんの芸能生活50周年を記念した「和田木魚」(非売品)も作った。
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作り始めたきっかけは、仏壇店が抱える悩みからだった。
都築数明さん:
この仏壇は廃棄処分。家を建て替えるのに、スペ-スがとれないと。大きいのはやめて小さいのに。仏壇を売るより廃棄の依頼が多い
仏壇だけではなく、仏像の廃棄依頼も多いという。
都築数明さん:
コロナで法事やらなくなって、家族がどんどん小さくなっちゃった。仏壇業界からしたら、どうにもならない時代がきちゃった
三河仏壇は、8種類の仕事にそれぞれ専門の職人がいる完全分業制。その中で都築さんは、デザインと組み立てを担当している。業界の生き残りをかけ、都築さんは30歳の頃から若い人の興味をひく仏壇を考案し始めた。