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連載日の丸女子バレー 東洋の魔女から眞鍋ジャパンまで

2022/03/12

source : 文藝春秋

genre : スポーツ

“経験不足”だった竹下佳江

 セッターの竹下には、あの場面以外にも自分たちの経験不足を感じるシーンがあったという。21−19から息詰まるシーソーゲームを繰り返し、迎えた26−26の一歩も譲れない局面。レフトに大懸、センターが杉山祥子だった。竹下は杉山を使わず、大懸一本やりのトスを上げた。

シドニー五輪最終戦予選時の竹下佳江さん ©JMPA

 しかし、当時33歳のベテランセンター、チェブキナにブロックされ続け、日本は完全に息の根を止められたのである。

「接戦になったらエースに上げる。これもバレーの基本的な戦術なんですが、結局、自分を守ってしまった結果なのかなと思いました。レフトの2人に上げて失敗してもチームのみんなは納得する。もし、杉山を使って失敗したら後悔が残る。自分の特長は速いトスで、センター、ライトを使ってなんぼなのに、守りに入ってしまっていました」

 後に、変幻自在のトスを操り、世界から恐れられるようになった竹下も、こういう時代があったのだ。

 ロンドン五輪の中国戦の究極の場面で、定石を破り江畑幸子を使ったような判断は、このときの竹下にはまだなかった。

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