東口には自由通路を少し歩いて新幹線の高架をくぐって階段を降りる。バスが発着している立派な広場があって、まっすぐに伸びる大きな通り沿いにはちょっとした店舗や住宅が延々と連なっている。
駅から3分ほどのところには、マンション建設予定地という看板が置かれた空き地もあった。なんでも、地上14階のマンションが建てられる予定だという。
東武に乗ってもJRに乗っても都心に1時間ほどでアクセスできる久喜駅だから、マンションの類いを建てるにはうってつけなのだろう。が、周囲を見渡してもせいぜい4階建て程度の雑居ビルがあるくらいだ。そんなところに14階建てマンションができたら、日照権やらでもめ事にならないのかしらん。
などと余計な心配をしつつ、少し脇道に入るとこちらも住宅地。駅前からまっすぐの通りには小さな川が横切っている。
もともと久喜のあたりは江戸時代の初めまで古利根川が流れていて、その東遷事業を経て低地が広がる今の地理的条件が完成した。その後、用水路が整備されて田園地帯になったという。なので、この小さな川も用水路の名残なのだろうか。
本格的な開発は50年前に始まった
古い地図を見ると、久喜駅の東側は1960年代までほとんど一面の田園地帯だったことがわかる。本格的に開発がはじまったのは1970年に橋上駅舎になってから(新幹線が通ったのは1982年)。それまでは西口側にしか出入り口がなかったので、発展が遅れたのだ。
つまり、裏を返せば久喜の町の中心は東口ではなく西口。西側を歩かねば、久喜駅の真髄に触れることはできないというわけだ。
そんなわけで東口は早々に切り上げて、細い自由通路を歩いて西口に向かう。JRの改札の前を横切り、西口へ。外に出ると、自由通路からそのままつながったプチペデストリアンデッキのようなものが大きな広場を取り囲んでいる。
クッキープラザという商業ビルがあって、バス乗り場のほかにはいくつものチェーン店が建つ。マクドナルドにセブンイレブン、カレーのCoCo壱番屋。クッキープラザの中にはサイゼリヤや書店も入っていて、駅前ですべてが揃う久喜駅だ。ちなみにクッキープラザ、1990年に完成した商業ビルで、もともとはダイエーが入っていたという。