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『Deep Love』を自費出版、異例のヒットに

――PV数に応じてドコモからお金がもらえるわけじゃなかったんですね。

Yoshi 違うんだよね。だからずっとドコモを恨んでましたよ(笑)。そのとき直感的に「物語の中にアクセサリーを登場させておこう」とひらめいて、小説の中に入れ込んだんです。

 で、その後、ヒロインの女子高生・アユと、彼女と惹かれあう少年・義之を結ぶアクセサリーのデザイン画を自分でババっと書いて作ったら、それだけで数億円儲かりました。

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©文藝春秋

――すごい商才ですね。Yoshiさんは今日、そのネックレスはされてないですか。

Yoshi されてないですね(笑)。それに、『Deep Love』の本だって出版社から書籍化される前は自費出版で、自分で刷って売ったんです。10万部出荷しました。

――自費出版で10万部とは凄まじいですね。Yoshiさんが宛名ラベルを貼って発送したんですか。

Yoshi さすがに手に負えなくなって途中から業者にお願いしましたが、最初は夜なべしてやっていましたよ。

 しかも当時はまだネット決済みたいなプラットフォームもなかったから、郵便局留めで本の代金を送ってもらっていたんです。

郵便局に届いた、大量の1000円札と小銭

――10万部だと、とんでもない量の現金が手元にきちゃいますね。

Yoshi たしか送料込みで1500円くらいの売値だったんですけど、最初に郵便局にお金を取りにいったら、その時点で1000円札と小銭で1500万円くらい送られてきてて。

 事務所に帰って全部の封をあけてお札と小銭を分け、送付先の住所をエクセルに入力してね。

――地味な作業をコツコツやられていたわけですね。

Yoshi 佐川の配送伝票もとんでもない量でした。しかも10万部だから、急に億単位のお金が入ってくるわけですよ、破産した1年半後に。