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《プーチン大統領は現代版ヒトラー》“愛国心”を煽って他国を侵略する手口とは?「小中学校で銃をわたして軍事教育」「SNSは愛国主義を宣伝するメインエンジン」

《プーチン大統領は現代版ヒトラー》“愛国心”を煽って他国を侵略する手口とは?「小中学校で銃をわたして軍事教育」「SNSは愛国主義を宣伝するメインエンジン」

2022/03/15
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国営通信社の誤配信で発覚した“プーチンの野望”

 最後に、ウクライナ侵攻の2日後に起きた、ロシアの国営通信社による記事の誤配信を紹介したい。これは当初、ロシア軍が数日で首都キエフを制圧する計画だったため、そのタイミングで出す予定だったようだが、実際にはウクライナ軍の抵抗により早期の首都陥落はなかった。ところが予定稿が誤ってそのまま配信され、慌てて削除したが、それがネットで出回ったのだ。

©getty

 文中では、とにかくロシアとベラルーシにウクライナを合わせた、大いなるロシアの復活が謳われている。それを読むと、プーチン大統領が昨年12月に言い出した「NATO拡大を防ぐ」といった要求も実は些細なことだったようだ。

 実際にはロシアは、“東スラブ民族(ロシア人、ベラルーシ人、ウクライナ人、少数民族など)による偉大なる国”を作り、アングロサクソンに対抗するというのである。これはそのまま東スラブ民族をアーリア系ゲルマン民族と置き換えれば、まさにナチスそのものだろう。

 このように「やり口」が酷似している2人だが、共通しているのは、悪い意味で「戦略家」だということだ。そして、「今ならやれる」と判断したことに躊躇はない。さらに問題なのは、プーチンもヒトラーと同じく、極めて悪い意味で「信念の人」だということである。つまり、自分の思うとおりに事態が進まなかっとしても、途中で「降りる」ということが期待できないのだ。

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 常にナチスを敵視し、ウクライナ政府を「ネオナチ」と罵ってきたプーチン大統領。しかしその独裁者然とした姿に、ヒトラーを見ずにはいられない。

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