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文中では、とにかくロシアとベラルーシにウクライナを合わせた、大いなるロシアの復活が謳われている。それを読むと、プーチン大統領が昨年12月に言い出した「NATO拡大を防ぐ」といった要求も実は些細なことだったようだ。
実際にはロシアは、“東スラブ民族(ロシア人、ベラルーシ人、ウクライナ人、少数民族など)による偉大なる国”を作り、アングロサクソンに対抗するというのである。これはそのまま東スラブ民族をアーリア系ゲルマン民族と置き換えれば、まさにナチスそのものだろう。
このように「やり口」が酷似している2人だが、共通しているのは、悪い意味で「戦略家」だということだ。そして、「今ならやれる」と判断したことに躊躇はない。さらに問題なのは、プーチンもヒトラーと同じく、極めて悪い意味で「信念の人」だということである。つまり、自分の思うとおりに事態が進まなかっとしても、途中で「降りる」ということが期待できないのだ。
常にナチスを敵視し、ウクライナ政府を「ネオナチ」と罵ってきたプーチン大統領。しかしその独裁者然とした姿に、ヒトラーを見ずにはいられない。