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〈本日最終回〉悪夢版ドラえもん? 漫画『タコピーの原罪』の“現代っぽさ”を読み解く

2022/03/25

source : 提携メディア

genre : ライフ

note

いじめっ子・まりなのダークサイドが明かされる第2話以降

 しずかにくっついて学校を訪れたタコピーは、彼女がいじめられている現状を目の当たりにし、何とかしようと様々な奮闘を重ねる。しかしそのことがまりなの逆鱗に触れてしまい、いじめはエスカレート。

 それならばとタコピーはしずかに変身してまりなと対話を試みるが、彼女のどす黒い闇に触れて「無理だ」と絶望……。自分のせいで事態を悪化させてしまったのではないかと落ち込む。しかし、そんなときにしずかは「最近はちょっと悪くないんだ」とタコピーへの感謝を述べるのだった。

 だが、ここで素直に喜んでしまえば、第1話の二の舞だ。本作はここからまた突き落としてくるに違いない……。そう警戒しながらページをめくると、物語はまりなサイドへとスイッチ。彼女の父は水商売の女性に入れあげており、そのせいで家庭は崩壊しているということが明かされる。

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 その後、しずかの愛犬・チャッピーに標的を移したまりなの狂気が加速する第3話を経て、第4話にて「まりなの父がご執心の女性はしずかの母だった」という真実が開示されるのだ。つまり、まりなは明確な敵意と動機をもってしずかをいじめていたというわけ。そしてまた、まりなも大人たちの事情に振り回された、ある意味での被害者であることが浮き彫りになってくる。

 そこから先の展開は、さらに絶望的。まりなに暴行されるしずかを助けに入ったタコピーは、弾みでまりなを殺害してしまう。このシーンも、「秘密道具が本来の用途で使われない」第1話の展開の繰り返しであり、無間地獄のように「何をやってもバッドエンド」は続く。まさに「救いようがない」物語だ。

いじめられっ子・しずかの見え方が変わる第5話以降

 ここまででも話題性を呼ぶに十分なスキャンダラスな作品なのだが、『タコピーの原罪』が真骨頂を発揮するのは、第5話以降だろう。これまでサブキャラ的な立ち位置だった同級生の東(あずま)が介入することで、物語や人物関係、そしてなにより人物像が大きく変動していく。