本物の人間には、結論がない
ーー「たやすいが、厳しい」今の時代を、上沼さんはどう見ていますか。
上沼 こんな時代まで生きるんじゃなかったなと思いますよ。テレビの輝かしい頃に活躍させてもらったので。テレビがやがて終わるの、寂しいです。なんか、今は地上波が映らないテレビが発売されているみたいですね。
ーーそもそもチューナーが入ってないテレビ、あるみたいです。
上沼 そういう時代がきたから、もうお呼びじゃないっていうのはわかってるんです。やりすぎたなと思って。もう満足です。
ただ、元気なのでね。血糖値もよくなったし、これから歯並びも良くなるし。もうどうしたらええかなと思ってるんですよ。 どこへこのエネルギーを持っていってええやらね。白浜にある別荘で、焼きそばでも焼いて売りますわ。
――(笑)。
上沼 話がまとまらないで、申し訳ないんですけど。ほんとに、結論ってないですからね。
番組でゲストが来られると、回答を全部事務所が考えてることがあるでしょう。こう言われたらこういう風に言いなさい、と。結論あるんですよ、あの人らは。
でも、きっと本物の人間はこっちやと思います。結論がないですよ。正解もない。 だからおもしろいんですよね、人生は。
写真=釜谷洋史/文藝春秋
※2022/04/15 20:08……上沼恵美子さんの年齢に誤りがありました。お詫びして修正いたします。