1ページ目から読む
2/4ページ目
さっそく挨拶して「春菊天そば」(税込440円)を注文した。すると、ちょうど生麺を茹で上げたところで、大ざるでそばをすくい上げて冷水で洗い、びっくり水をかけて取り分けたところだった。そのそばを湯通しして、つゆをかけ春菊天、ねぎをのせて流れるような所作であっという間に出来上がった。この提供までの時間が速いのも「相州そば」の人気ポイントである。きっと浜っ子は江戸っ子よりせっかちなのだろう。
縞模様のどんぶりと人気の春菊天そば
やや小振りのどんぶりだが、紺色の縞模様が特徴だ。相州そばといえばこのすだれ十草模様の絵柄のどんぶりが定番である。そして、かき揚げ状に揚げられた緑色の映える大きめの春菊天がのる。そばはやや太めのしっかりした麺線で歯ごたえ、コシも申し分ない。そしてつゆをひとくち。サバ節が十分に利いている。返しもしっかりした実直な味である。
メニューをみると、温かいそばのメニューに加え、冷たいそばのメニューも充実している。「せいろ」や「ざる」だけでなく、温かいつゆに冷たいそばの「つけ天」などもそろう。きっと平沼橋にある「角平」のような「つけ天」を食べたいというリクエストに応えたのだろう。出汁を使ったカレーライスやミニ天丼セットなどのセットメニューも人気のようだ。
小川店主に聞くと、「春菊天そば」と「かき揚げ天そば」は昔からの断トツ人気のメニューだそうで、最近は「肉そば」が追走しているという。また、最近はコロナ禍の影響でテイクアウトを頼む客が多いそうだ。確かに、そばメニューだけでなく、「天重」や「かつ重」「カレーライス」などのテイクアウトを頼む客もいる。