4月1日付で新たなプロ棋士が誕生する。岡部怜央新四段(22)と徳田拳士新四段(24)の2名だ。新四段誕生の舞台となった第70回奨励会三段リーグ、最終18・19回戦が行われた3月12日の模様をお伝えする。
3月12日を迎えた時点での三段リーグ成績上位者は以下の通りである。
(3)岡部怜央 14勝2敗
(18)徳田拳士 14勝2敗
(16)片山史龍 13勝3敗
(1)柵木幹太 11勝5敗
(7)三田敏弘 11勝5敗
(カッコ内は前期リーグ順位)
3月12日時点での三段リーグ各人の昇段の可能性
岡部と徳田が14勝を上げているが、片山が1差で追走し、昇段の2名はまだ決まっていない。岡部はリーグ順位がよいこともあり、残る2戦で1勝すれば文句なしだ。あるいは最終19回戦で徳田と片山の直接対決があるため、18回戦でこの両者のいずれかが敗れた時点で、やはり四段昇段が決まる。
2番手の徳田は、18回戦で自身が勝ち、片山が敗れると1戦を残して昇段が決まる。ただそれ以外の結果だと、すべては最終戦の直接対決にかかってくる。場合によっては15勝3敗で3名が並ぶケースも考えられ、その場合はリーグ順位が下である徳田が頭ハネで昇段を逃すことになる。
これまでの三段リーグでは、15勝を上げて上位2人に入らなかった例はない。「15-3での頭ハネだけは見たくない」という声があちこちから聞こえてきた。
そして柵木と三田の2名には、自身が連勝し、かつ片山が連敗したときのみ(三田は柵木の1敗も必要)、2回目の次点獲得でフリークラス昇段の目があった。
岡部と徳田の昇段が決定、片山は来期の有力な昇級候補
果たして18回戦、上位5名は徳田と三田が勝ち、岡部、片山、柵木が敗れた。この結果、最終戦を残して岡部と徳田の昇段が決まった。徳田がリーグ表に勝ち印を押したのが、18回戦の最後だったため、ここで自身の昇段を知ったという。また、岡部は他の三段から結果を伝えられたそうだ。
そして、19回戦を終えた最終成績は以下の通りである。
(3)岡部怜央 15勝3敗
(18)徳田拳士 15勝3敗
(16)片山史龍 14勝4敗(次点)
次点に終わった片山だが、直接対決を制して気を吐いた。来期の有力な昇級候補となるだろう。