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大山、栗原、木村の世界戦デビュー
吉原の勝利に対する執念にも似た姿勢は、徐々にチームに浸透していった。
そして迎えたワールドカップ。
世界の大陸予選を勝ち抜いてきた12カ国の強豪チームが代々木体育館に結集。上位3カ国にアテネ五輪の出場権が与えられるため、9カ月後に開催されるアテネ五輪の前哨戦として、すべてのチームが最高のパフォーマンスを携えて日本入りしてきた。
そこに結集した顔ぶれは、当時ランキング1位のアメリカ、2位中国、4位イタリア、5位ブラジル、6位キューバ、7位韓国、10位ポーランド、13位アルゼンチン、14位ドミニカ共和国、15位トルコ、そして23位のエジプトだった。
世界ランキング通りに勝敗を計算するなら、11位の日本が勝てるのは4カ国。しかも15位のトルコはヨーロッパ大陸予選でランキング3位のロシアを破っての出場であり、日本の勝ち数はあまり期待出来るものではない。
柳本は、吉原を中心にしたチーム作りに手応えを感じていたが、バレー関係者の多くは、また屈辱の歴史を上塗りするのではないかと気が気ではなかった。
初戦の相手は南米大陸予選2位のアルゼンチン。