出演者の彼氏からの復讐
マジックミラー号の存在は今や広く知れわたり、とくに展開した状態では明らかに「それとわかる」形状になる。撮影中、一般人が押し寄せるような状況にはならないのだろうか。
「都内だとあんまり、直接集まってくるみたいなのは少ないですね。遠巻きに見ているというか。これが茨城とかになると、『ミラー号だべ?』みたいにヤンチャなのが仲間を呼んで集まってくる、みたいなことが結構あります」(車両部担当者)
発見したときのリアクションに地域性が出る、というのも興味深い。集まってきた人には基本的にADが対応するが、状況によっては収拾がつかなくなることもあるらしい。
「とくにSNSが流行ってからは『ミラー号が止まってる』みたいな投稿で見に来ちゃうんですよね。一度200人くらいに囲まれることがあって、それはもう撤収するしかなかったですね。知名度上がっちゃった分、やりづらいこともあります」(野本社長)
さらに、出演者の彼氏などが復讐に現れることも「しょっちゅう」だったという。こうした「お礼参り」により、危険な目に遭うこともあった。
「湘南で撮影中、外からギャル3人組が金属バットやゴルフクラブを持って近づいてくるのが見えて。いきなり『出てこいコノヤロー』って監督の名前を叫びながらミラー号を叩きはじめたんですよ。
でもその監督はウチじゃなくて、ミラー号を他メーカーに貸し出したときに無茶した人がいたらしくて、それで恨みを買ったみたいで。慌てて出て行って『いませんいません』っつって」(同前)
トラックの中でAV撮影という世にも珍しいロケ形態ゆえに、ミラー号の運行や撮影においては予想だにしないトラブルが次々に巻き起こる。今回話を聞いた3人が、口を揃えて「トラブルが多すぎて一つ一つ思い出せない」と、どこか懐かしむように言っていたのが印象的だった。
撮影に関わる者にとっては、マジックミラー号は他では経験できない刺激的な日々をもたらす乗り物なのかもしれない。
しかしそもそも、なぜ「トラックにマジックミラーの部屋を載せてAVを撮る」などというぶっ飛んだ企画が25年前に始まったのか。マジックミラー号の誕生した経緯や、これまでの歴史について、引き続き野本社長たちに話を聞いた。
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