トラブルは数知れず……
ミラー号の大きさは、移動や駐車場所の確保の際にネックとなることも多い。展開する際にはとくに、普通車3台分の駐車スペースが必要だ。
運転の際には、3.5mという高さにも気を遣わなければならない。初期にはロケの疲労などにより、この高さを原因とする自損事故もあった。
「明け方までかかるロケで、ホテルに泊まる予定だったんですが、やっぱりミラー号の高さを想定していない駐車場で。まだ不慣れだったのもあるんですけど、高さや外輪差なんかをあまり気にせず入ってしまったんですね。左に切り返した途端、ボディがシャンデリアに当たって、『ボコーン』と落ちちゃったんです」(同前)
車体の長いトラックは、曲がる角度によっては車体の後方部分が後輪より外側にはみ出すことがある。斜め後方の高い位置に障害物があると、なかなか目に留まりにくい。
「同じ頃に橋桁に突っ込んだこともありました。『バキバキバキバキ』って天井が凹んじゃって。
ミラー号は中のカプセルがスライド式になってますが、天井が凹んだことでスライドが出なくなっちゃったんですよ。ただ手動では出せたので、修理に出すまで2ヶ月ぐらいは、いちいちADと一緒に手で出してました」(同前)
そのときの修理費は100万円ほど。つくりが特殊なだけに、架装部分にダメージがあると費用も嵩みやすい。任意保険にも加入しているが、等級の問題や、そもそも加入を断られるリスクから、相手のない自損事故であれば基本的に現金で直しているという。
警察に通報されることも…
巨大かつ特殊なミラー号の車体は人目につきやすく、それがトラブルにつながることもある。
たくさんの人が集まってしまうなど、さまざまな理由で警察が駆けつけるケースがあるのだ。しかし、法を犯しているわけではないので、説明をすれば警察側も理解を示すようである。道路許可の申請などを担当する車両部からも、「警察の対応はフラット」という話があった。