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「町おこしでミラー号を使ってもらうとか、ラブホテルがないところに置いてもらうとか…」SOD野本社長が明かしたマジックミラー号の“意外すぎる活用法”

「町おこしでミラー号を使ってもらうとか、ラブホテルがないところに置いてもらうとか…」SOD野本社長が明かしたマジックミラー号の“意外すぎる活用法”

2022/04/22

genre : エンタメ, 社会

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 アダルトビデオの「企画モノ」を代表するシリーズとして、25年の歴史を誇る「マジックミラー号」。その知名度は今やアダルト業界の垣根を越えて、テレビの企画や企業によるプロモーションなどにも用いられるようになっている。

 底抜けにぶっ飛んだ企画を通じ、アダルトコンテンツをどこか明るいものとした感のあるマジックミラー号シリーズだが、ここに至るまでにはどのような紆余曲折があったのか。

 ミラー号の開発経緯や企画の変遷、さらには将来のマジックミラー号について、ソフト・オン・デマンド株式会社(以下SOD)の野本社長と車両部のベテラン勢に話を聞いた。

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走行中のマジックミラー号

SODと運命を共にしたマジックミラー号

 そもそもマジックミラー号という企画は、SODが創業直後に陥った「経営危機」に際して生まれたものだ。当時の資金4000万円をつぎ込んだ企画が、売上の面で完全な空振りに終わったのである。

 クレーンで吊られた男女が地上20メートルで行為に及ぶという大胆な発想は話題を呼んだものの、絡みの画が遠く、要するにアダルトビデオとして「実用向け」ではなかったのだ。

 資金が底をつき、女優とのツテも少ないなかで、SODが活路を見出したのが「ナンパモノ」だった。

「世にあるナンパモノはヤラセが多いよねっていうのと、創業者の高橋がなりがテレビ時代にマジックミラーを使ったバラエティをやっていたっていうところから、ミラー号の企画が生まれました」(野本社長)

 マジックミラーによる「合法露出」の衝撃もあり、この企画はSODの経営を再び軌道に乗せることになる。

 ここから、企画の幅を広げるため新たに製作されたのが現在の2代目ミラー号である。製作費は5000万円。先に取り上げた失敗にもかかわらず、攻めの姿勢を貫いた。

2代目マジックミラー号

「高橋が『残っているお金は全額使っちゃおう』みたいなスタンスで、背水の陣を敷くって姿勢が今でもぼくらに課せられる経営課題なんですが、やると決めたら躊躇なく徹底的にやる、というのがありますね」(同前)

 今度の「賭け」は大きな成功を収め、マジックミラー号はAV業界を代表する長寿シリーズとなった。