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「1日100カット以上の撮影で、毎日地獄のようでした」『ROOKIES』『ウルトラマンメビウス』出演俳優・五十嵐隼士が語る、撮影の思い出と芸能界引退のワケ

「1日100カット以上の撮影で、毎日地獄のようでした」『ROOKIES』『ウルトラマンメビウス』出演俳優・五十嵐隼士が語る、撮影の思い出と芸能界引退のワケ

五十嵐隼士さんインタビュー#2

2022/04/09
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『ウルトラマン』ファンに聞かれるのは「好きな怪獣は何ですか」

――『ROOKIES』以外に『ウルトラマン』のファンのお客さんもお店に来ますか?

五十嵐 そうでもないですね。たまに来ることもありますけど、やっぱり聞かれることはほとんど一緒で。撮影中の裏話聞かせてくださいとか、誰と仲良かったんですかとか。あとは好きな怪獣は何ですか、とかですかね。

 実は特撮部分とドラマ部分って別々で撮影しているんです。だから、正直に言うと怪獣への思い入れはないんですよ(笑)。ただ、自分がテレビで見て、「あ、こいつと戦ってたんだなぁ」というのはあるし、実際に人間体ぐらいの大きさの怪獣と撮影した記憶はめっちゃありますね。例えばボガールだったり、ファントン星人だったり……最強の敵は今でもエンペラ星人です。それこそ1人じゃ勝てなかったわけだから。

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『ウルトラマンメビウス』では主役を演じた五十嵐さん ©共同通信社

 ウルトラマンの頃は仁科克基とべったりでしたね。仁科は芸能人の2世俳優特有の「舐められちゃいけない」という変なプライドがあるんですよ。でも、そのプライドを除けばとてもいいやつで、すごい純粋です。他人にああだこうだ言われちゃうと、本当にシュンとしていました。

仁科克基 松竹公式HPより

 若い時によく遊んでもらったときは、いつも奢ってくれるんです。でも、さすがに毎回だと気まずいから「昼飯ぐらい奢りますよ」という話をしたら、「お前、ふざけんな」と言われて。「先輩の俺がお前に奢るのは当たり前のことなんだ。おれに恩返しがしたいなら、お前の後輩にちゃんと奢ってやれ」って言われたんですよ。そういう芸能界の常識みたいなのはあるんですよね。それもあって、僕は先輩からはご馳走になって、後輩にはしっかり奢る習慣がつきました。