4月に施行された改正民法で、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた。それに伴い、“高校生のAV出演解禁”の危険性を指摘する声が相次いでいる。以前から18歳以上で本人の同意がある場合は高校生でも出演が可能だったが、発売を後から差し止める「未成年者取消権」の行使ができた。

 しかし、改正民法が施行され成人年齢が引き下げられた4月からは、18歳になれば未成年者取消権を行使できなくなる。そのため、AVへの出演を強要されるなど被害が拡大する懸念があり、野党や関係団体からの批判を受けて、政府が緊急対策をまとめるなど大騒動になっている。

成人年齢引き下げに伴う諸問題は国会でも争点に ©文藝春秋

成人ですら親の職業や同意は確認

 こうした騒動に戸惑いを隠せないのが、大手AVメーカーやプロダクションなどの業界関係者だ。大手AVメーカー関係者が語る。

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「いま、大手メーカーは基本的に『危険な橋は渡らない』というスタンスです。正直『高校生なんてリスキーすぎて使わねえよ』というのが本音です。撮影代も馬鹿になりませんし、世間からの批判を浴びて発売中止にでも追い込まれたら大赤字になってしまう。今は有名AV男優のハウツーモノとか、女性用AVとか、柔らかいジャンルがトレンドですし『リアルJK』というセンセーショナルさだけでは売れるかはわかりません。今のAVの世界は『若くて可愛ければそれだけで売れる』なんて簡単な話ではないんです。

©iStock.com ※写真はイメージ

 ひと昔前のAVで過激な撮影が行われていたのは事実ですが、今は業界全体の“クリーン化”が進められ、可能な限りイザコザを避ける傾向にあります。精液も危ないシーンではコーヒーフレッシュやローションを混ぜて作ったようなニセモノ。本当に子どもができたら誰も責任とれませんから。盗撮もナンパもファンタジーです。

“出演強要”も昔はあったようですが、今は面接でも年齢確認はしっかりとやりますし、未成年での出演はまず無理。成人ですら親の職業や同意は確認しますし、少しでも後々揉めるリスクがあれば面接で落とします」