新宿区長の呼びかけで、ホストたちは検査に協力
都内では、6月に入り133名の新型コロナ感染者が確認された。感染拡大を危惧する声が強くなっていった。
これに対し、小池知事は「夜の街関連、とりわけ新宿エリアにおける飲食、接客業関係者が多いという報告を受けている」「休業要請が解除されていない接待を伴う飲食店の従業員など夜の街関係が約3割を占め、その約4割が新宿区内の感染者」とコメントし、接待飲食業が休業要請を守っていないことによる感染拡大という図式を世間に浸透させた。
これにより、とりわけ歌舞伎町の接待飲食業に対する風当たりが一気に強くなった。東京都は「感染防止の観点から店名を公表することもありえる」とした。
そんななかで、同じ歌舞伎町内に庁舎を構える渦中の新宿区の吉住健一区長は、連日ホストクラブの幹部らと協議を行い、その問題点に気づき、現場の声を理解してくれた。区長は感染者をいち早く特定するためにも、店名や個人名の公表はしないと約束してくれた。
日本一の歓楽街、歌舞伎町のある新宿区の吉住区長が、夜の街に寄り添い、意見に耳を傾けてくださったことは、特にコロナ禍で頭ごなしに悪者扱いをされてきた我々にとってはとてもありがたく、嬉しいことだった。新宿区長が情報の保護を宣言してから、ホストたちは検査に協力するようになった。
新宿区は、区内における感染防止対策を事業者と連携して実施するため、区保健所・繁華街事業者で構成する「(仮称)新宿区繁華街新型コロナ対策連絡会」を設置すると発表した。
店舗等の感染症対策や、スタッフからの感染拡大防止を協力して行うほか、感染時における対応マニュアルの策定や疫学調査への協力、衛生管理の徹底を周知するための講習会の実施、飲食店営業のガイドライン策定など、さまざまな感染症対策を行っていくとした。