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ドリフトドライバーへの道には正解がない

――そもそも、ドリフトの競技の選手になるには、どういったステップを踏んでいくものなのでしょうか?

下田 今のドリフトの業界だと、正直はっきりした答えがないんですよね。たとえばプライベートで遊びでやっていた人が、腕試しをしようと競技に出て、それでトントン上の方まで進んでいくってこともあります。ほかには、スポンサーについてもらってプロとしてやっている人もいるし、会社に勤めながら競技に参加している人もいて。これをやったらドリフトのドライバーになれるっていう明確な道筋がないんです。

「ドライバーになるためのレールを作りたい」と話す下田さん

――競技の場で活躍するまでには、実力はもちろん巡り合わせも重要になりそうですね。下田さんの場合は、どのようにして競技に参加するようになったのでしょう?

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下田 最初に大会に出ようと決めたのが2016年でした。当時、D1グランプリの下位カテゴリーに「D1ストリートリーガル」というものがあったんです。ライトな感じで、アマチュアの人が腕試しするような場でした。

 まずはそのレディースリーグにエントリーしたのですが、大会の最中に大きな事故があり、それから1年中断が入って、そのタイミングでは実際に走ることができず……。その後、2018年に大会が再スタートしたんですが、女性のリーグがなくなって、さらにライセンスが必要になったんですよ。でも、急な変更に対する特例といいますか、以前の大会で出場登録をしていた人は、プレ大会への出場が認められて。それでドライバーとしての第一歩がようやく踏み出せた、という流れでしたね。

競技に参戦するまでには予想外に時間を要した

――大会に参加するまでに、それだけの壁があったということは、意気込みも増していたのではないでしょうか?

下田 それが、出場できると決まったのが大会の1週間前で、車も何も準備していなかったんですよ。ちょうど東京オートサロンの期間中だったので、会場を駆け回って、色んなメーカーさんに必要なものを貸していただけるようお願いして回って。車両は同じスクールの方のものを貸してもらって……。そうして、周りの協力でどうにか間に合わせることができたという状況でした。

 大会で走ってみたら運良く結果が出て、正規の出場権を得られたので、本当に良かったです。