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連載日の丸女子バレー 東洋の魔女から眞鍋ジャパンまで

2022/04/23

「今の選手に上からものを言ってはダメ」

 そっぽを向かれてしまった眞鍋は、まずは女子選手の心理を理解しようと、中学・高校の女子バレー部の監督に教えを仰いだ。彼らは口々に言った。

「今の選手に上からものを言ってはダメ」

 スパルタ教育で有名な監督たちの助言は意外だった。眞鍋は監督という鎧を脱ぎ、地を出そうと決めた。そして選手には、理解してもらえる言葉で話すことにした。

「でも、目線を下げるということじゃないんです。そう思った時点で、上から目線になっていることじゃないですか。上から目線というのは女性にはタブー。そもそも僕の考え方とも違う。だから構えることなく、そのままの自分で接することにしたんです」

 眞鍋はもともと明るい性格でお茶目。加えて、常に前向き。大友愛が語っていた。

「眞鍋さんが落ち込む姿を見たことがありません。何があっても『明日があるから』とか『大きくなるためのチャンス』と、常に前向きな言葉が届く。スーパーって付くくらいポジティブシンキングです」

ロンドン五輪での大友愛選手 ©JMPA

 眞鍋の考えが行き渡った久光は、1シーズン目からVリーグ準優勝、06年の黒鷲旗で初優勝を飾る。06年-07年シーズンにはVリーグで5年ぶりの優勝を果たした。

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