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デビューしたけど……オーディションに落ち続けた理由

――華やかなデビューですよね。 

蘭々 無事に事務所に所属して誌面デビューはしたものの、仕事と言えばそれだけで、その他はたくさんのオーディションを受けるのが仕事のようなものでした。でも受けても受けても落ちる……ほんと事務所の人も頭抱えちゃうみたいな……。

――受からないのは、なぜだったんでしょう。

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蘭々 私がコスプレのような格好をしてオーディションに行くからです(笑)。当時の私には自分なりのテーマがあって、そのテーマに沿った格好をしていただけなんですけどね。

――『がんばれ!!ロボコン』(NETテレビ、1974年~1977年)に出てくるロビンちゃんのコスプレをしてオーディションに行かれたとか。たしかに、ロビンちゃんで会場に来られたらザワつきますよね。

蘭々 そうです。そんな個性求められてない(笑)。

 

――そこから転機になったのは?

蘭々 当時サントリーの烏龍茶のCMとかを撮られていて、海外で賞を取ったりしたこともあるような結構有名な監督に気に入られて、資生堂のティーン向け商品のCMオーディションに合格したのがきっかけですかね。 

 連続で起用していただくうちに、他のCMのオーディションにも少しずつ受かり始めて。そうしたCMに出演しているうちに、今注目のCM少女として『ザテレビジョン』に白黒の小さな記事が載りました。   

 その後、その記事を見たとある会社の社長との出会いが再び私の転機となるんです。

――その方が、移籍を説得しようとご実家の中華料理店にベンツで乗り付けてきたという事務所の社長ですか?

蘭々 そうです(笑)。その社長は某事務所からの独立をきっかけに新人を探していて、以前は男性ばかりを担当していたから、女の子を売り出したかったようです。私が載った『ザテレビジョン』の記事が印象に残っていて、記事の切れ端をいつもポケットに入れていたと言っていました。 

 それを社長の昔からの友人にひょんなきっかけで見せたら、その人物がなんと私の通う中学校の後輩のお父さんだった。それで、2人がベンツに乗ってやってきました(笑) 。

「お宅の娘さんください!」って。 

――そういった熱い現れ方と説得をされると、ほだされて移籍してしまいそうですけど。