1ページ目から読む
2/5ページ目

実際に送られてきた怪文書とは?

 小児科医の森戸やすみさんは、子供の新型コロナワクチンの接種が開始されてから、こうした反ワクチン運動がより盛んになったようだと話す。

「反ワクチン運動をしている人たちは、ほぼ根拠のない思い込みや陰謀論を信じ込んでしまっているわけですが、“子供を守る”という大義名分を手に入れたことで、言動がエスカレートした面があるのではないでしょうか」

 確かに子供のワクチン接種に反対するデモが行われたり、子供のワクチン接種をやめるよう呼びかける不正確なチラシが出まわったりしてきた。

ADVERTISEMENT

 さらに今月7日には、反ワクチン団体「神真都(やまと)Q」のメンバー4名が、子供のワクチン接種が行われていた渋谷のクリニックに侵入し、建造物侵入容疑で逮捕されている。ちなみに前述のベネッセのチラシに関するツイート主も、神真都Qのメンバーだと見られている。

 森戸さんのクリニックでも子供への新型コロナワクチンの接種を行なっているが、反ワクチンによる怪文書やチラシがたくさん送りつけられたという。

反ワクチン派から送られた怪文書やチラシ。神真都Qによるものも

「こうした怪文書やチラシがばらまかれても、医療従事者には特に影響はないんです。ただ、一般の人が目にした場合、お子さんは本当に大事な存在ですから、全く根拠がなくても動揺するだろうと思います。事実に基づかない間違った考えが広がることを『インフォデミック』というんですが、まさにそれですね」

漠然とした不安をきっかけに、間違った情報がどんどんと広がっていってしまう(画像提供:森戸やすみ)

 どうしたらこうした誤情報から、それこそ「子供を守る」ことができるのだろうか。森戸さんは次のように言う。