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2022/05/12

source : 週刊文春出版部

genre : ライフ, 教育, 社会, スポーツ

日本人はいつの間にこんなに意地悪に……

 これについては、コロナ禍の2020年6月に取材したカナダ在住の日本人女性の言葉を思い出す。彼女が当時話題になっていた日本の「自粛警察」に触れ、「同じ日本人としてすごく情けない」と声を震わせたのだ。

「こちらでは、コロナに感染すると、お気の毒、お大事にねといたわりの言葉をかける。日本人は海外では礼儀正しく親切だと思われているのに、いつの間にこんなに意地悪になったのでしょうか」

 一方で、親同士をつなぐ努力をしている人たちもいる。

 例えば、500名の会員が所属する一般社団法人あきる野総合スポーツクラブ(東京都あきる野市)の理事長で、サッカー部門の監督を務める高岸祐幸はこう話す。

「子どもの主体性や自主性を大事にした指導をしています。でも、以前は、親御さんから子どもにもっと強く言ってやらせてほしいと言われることがありました。つまり、指導者と保護者の間に価値観のズレがありました」

 そこを埋めるため、保護者向けのセミナーを開くなど互いに学び合うようにしたら、クラブの雰囲気も変わってきた。

「スポーツをしているのは子どもで、教えているのはコーチですが、保護者の姿勢は非常に重要です。当番とか雑用をする存在ではなく、一緒に子どもの成長を支える仲間としてタッグを組む。そんな関係をつくることが重要だと思います」

 試合中に熱くなってわが子を責めたり、指導方針に反対する保護者は今ではいなくなった。親同士の関係も非常に順調だ。

「なぜかといえば、僕らは子どもたちをある程度まんべんなく試合に出場させているからだと思います。時間はかかりますが、そのほうが結果的に全体の底上げができ、チーム力も個々の力もアップします」

 親たちがみんな仲良く笑顔で応援してくれるという雰囲気も、大きな要素だろう。親が揉めていれば、不協和音は子どもに伝わる。安心安全な環境づくりに、親は重要なピースなのだ。

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