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ほんとうのデビューは吉野家CM「イメージ刷新のために、『リフレーッシュ!』と歌う楽曲で」

野宮 そもそも、レコードデビューより前、自分の歌声が初めて世に出たのはCMソングだったんです。

横山 最初は、どんなクライアントの広告だったんですか。

野宮 吉野家です。

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横山 吉野家って、あの牛丼の? 野宮さんのイメージからはかけ離れてるなあ(笑)。

野宮 80年に吉野家は一度倒産したんですが、そのネガティブなイメージを刷新するため、「リフレーッシュ!」と歌う楽曲の発注を受けたんです。作曲を手がけたのは、プラスチックスの佐久間正英さんでした。

横山 人に歴史ありですね。

野宮 ソロシンガーとしてのデビューシングル「女ともだち」も、資生堂シャワーコロンのCMソングでした。コマーシャルで使うサビの部分だけ先に録音することになったんだけど、その時点の私はまだOLを辞める前だった。会社の屋上で歌の練習とかしてたんですよ。

横山 何だか牧歌的な昭和の風景ですね(笑)。

デビューシングル「女ともだち」は資生堂シャワーコロンのCMソング

野宮 退勤後、会社のあった神保町からスタジオのある築地に向かったんだけど、総武線が途中で止まっちゃって。電車を降りて線路の上を走りましたよ。

横山 そうそう。今じゃありえないけど、電車が止まることが日常茶飯事だったあの頃は、そういう場合、普通に線路をぞろぞろ乗客が歩いてましたよね。

野宮 結局、遅刻しちゃったんですよ。携帯もない時代だったからなかなか現場と連絡もつかず、ドキドキしましたね。

横山 他に有名なCMというと?

野宮 100曲単位で歌ってると思うけど、一番長く放送されたのは、プチダノン。「頭ばっかりでも、体ばっかりでも、ダメよね」っていう歌、覚えてます?

横山 はいはい。ポータブル・ロックからピチカート・ファイヴに至る間、野宮さんがどうしていたのかは正直言って謎だったんですが、今、ようやく答えが与えられました(笑)。