2004年にAV業界入りするやいなや、一気に単体男優へと成り上がり、2008年には日本で初めての女性向けAVに出演。端正なルックスと相手を大切にするプレイで女性たちからの人気を集め、「エロメン」として業界を引っ張り続ける鈴木一徹氏。
女性向けAV市場という新たなジャンルを切り開いた同氏は、いかにして女性向け作品の男優になったのか。そして、現在の性産業について、どのような思いを持っているのか聞いていく。
◆◆◆
「どうしようかなこれ、騙されるのかな……」
――女性向けAVというジャンルを切り開き、今も活躍を続ける一徹さんですが、男優デビューはいつ頃、どんなきっかけだったんでしょうか。
鈴木一徹(以下一徹) もともと、大学を卒業して公認会計士の勉強をずっとしていたんですが、試験に落ち続けて、2年半くらい経った頃ですかね。「どうしようかなあ、来年もまた勉強するのかなあ」と、悶々としていたときに、当時よく利用していた動画サイトを見ていると「君もAVの現場に来てみないか!」という募集の広告があって。それが業界入りのきっかけでした。
「どうしようかなこれ、騙されるのかな……」と思いながらも、悶々とした気持ちを抑えきれず、現場を訪れたかたちです。24歳、25歳の頃でしたね。
――その頃から、女性向けの男優として活動されていたんでしょうか?
一徹 いえ、そういうわけではないですね。女優さんとの絡みもない端役の男優としてデビューしました。そこからも懲りずに作品に出続けていくうちに、単体男優になれまして。この頃までは男性向けの作品にのみ出演していました。
それが、29歳くらいの頃でしょうか。ソフト・オン・デマンドが新しい企画を打ち立てようということで、女性が安心して見られる作品製作を目指したAVというコンセプトのレーベル「SILK LABO」が立ち上がったんですよ。そのときキャスティングしていただいたのが直接のきっかけですね。当時は男優の高齢化が著しかったので、比較的若かったという理由のみでぼくに白羽の矢が立ったんだと思います。
――デビュー直後の反応はどうでしたか?