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デビュー直後の“驚き”
一徹 ファンレターが届いたことにびっくりしましたね。当時の男優は、できるだけ女優さんを引き立てるために「とにかく黒子でいなさい」という風潮が強かったので、「俺に注目が集まっていいの!?」と驚きました。
とはいえ、自分自身が男優として女性から評価を受けている……とは思っていなかったですね。AV業界は“村”みたいなところで、一般社会の評価が耳に入ってくる環境ではなかったですし、毎日スタジオに通って、月に30~40現場くらいこなしたり……。日々の仕事がとにかく忙しかったんですよ。
ただ、レーベルを盛り上げるために、SILK LABOが『anan』のセックス特集号にDVDの付録をつけさせてもらったんですが、そのDVDに出演したときの反応はすごかったです。当時はちょうどAVの売上が落ちてきたタイミングで、3000本くらい売れればヒットと言われていたんですけど、そんな状況にもかかわらず、女性向け作品が1万本、2万本とヒットを出すようになっていって。
――これまでなかっただけで、女性もそうした作品を求めていたということなんでしょうか。SILK LABOの作品をはじめとして、女性向けAVと、これまで出演されてきた、いわゆる男性向けAVとの違いはありましたか?
一徹 まず、監督の指示内容がまったく違いましたね。よく言われる話ではありますが、無理な愛撫はしないとか、女の子とできるだけ親密感があるようにとか。男性向けの作品とは対照的です。