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練馬駅近くの“頑固そうな中華料理屋” 65歳店主がつくる「しょうゆラーメン」は優しい味わいだった!

B中華を探す旅――練馬「ラーメンガッツ」

2022/05/13

genre : ライフ, グルメ

 路線バスが好きで、バスに乗るため遠回りをしたりする。荻窪に住んでいるので、たとえば六本木で用事を終えた場合、大江戸線の中野坂上で丸の内線に乗り換えるのが最短ルートだということになる。しかし、たいていは中野坂上を通り越して練馬まで行き、そこからバスに乗る。たかだか数十分の、外を眺める時間が楽しいからだ。

 ところで練馬からそうやって帰るたび、千川通り沿いの進行方向右側に見える店が気になって仕方がなかった。「東電支社前」という、11年前のあの事故を思い出さずにはいられない名前の停留所少し手前にある、「ラーメンガッツ」がそれだ。

 

 なにしろ店名がイカしてる。赤い看板にもインパクトがあるし、しかもその下には「味自慢 ラーメン」という赤いのれんと、「御食事処」の文字が入った青いのれんが並んでいるのだ。ただでさえ店名にインパクトがあるのに、店頭の色調がすごいことになっているのである。

 早い話、外観のクセが強い。なんとなく、頑固な店主がいそうな気もする。だから、いつかは入ってみなければならないだろうと思いつつ、なんとなく躊躇してもいたのだ、もう何年も。だが、そんなことをいつまでも続けていたって意味ない。そこである平日に、勇気を出して伺ってみたのだった(勇気を出すほど大層なことかよ)。

まずはビールと餃子を注文!

 のれんをくぐると、正面右手にはL字型のカウンターがあり、その向こう側が厨房だ。左手の壁際には4人がけのテーブル席も2卓あり、外から見るよりも広く思える。なお、到着した時点で客数はひとり。あとから2人客も入ってきたが、ランチタイムを越えた13時半過ぎだったので、のんびりとした空気が流れている。

 カウンターの角の席に座ってビールと餃子を注文してから、振り返って壁のメニューに目をやる。順番が違うような気もするが、ビールと餃子を注文することは最初から決めていたのである。

 それにしても品数が多い。壁一面が、手書きのメニューで埋まっているような感じなのだ。

 
 

 特筆すべきは、A~Fまでバリエーションも豊かな「おすすめセットメニュー!!」だろうか。「焼肉セット」「餃子セット」「チャーハンセット」「角煮セット」、そして「ラーメン+半チャーハン」か「チャーハン+半ラーメン」かを選べるセットまでが用意されている。

 かと思えばその下には、半ラーメンと半チャーハンの「半チャンセット」も。これが本来であればGセットということになるのだろうが、「G」と書かれているあたりには紙が貼られている。つまり、これだけは無名のセットというわけだ。