地元民向けのガチ外国飯が集まる新安城駅
そんな愛知県の中でも大好きな異国飯タウンが、名鉄の新安城駅にあります。東京から新幹線「のぞみ」に乗って名古屋方面に向かうと、「……列車は定刻通り三河安城を通過しました。およそあと10分で名古屋に到着します」のアナウンスで知られる、あの三河安城駅の安城市ですね。
三河安城駅から新安城駅へはコミュニティバスも出ていますが、「名鉄名古屋」から特急に乗ると25分程度で到着します。東京からだと、名古屋経由でも2時間半くらいでつきます。「日本一のカオス駅」と名高い名鉄名古屋から、360円で名鉄の名車「パノラマスーパー」の最前席を予約して向かうと、鉄道旅行の気分も高まり一石二鳥です。
愛知県は車社会と言われ、ガチ外国飯が駅から離れたところにありがちなのですが、新安城だけは駅前に多数ある、これもまた何度も通いたくなる理由です。
新安城には地元民向けのブラジル、ペルー、インドネシア(しかも2店)、スリランカ、バングラデシュの料理屋が駅徒歩圏に揃っています。商店ではベトナムとインドネシアとブラジルの店があります。いやあ、これだけ東京や大阪で見つけにくい国のガチな店が集まるのは新安城だけなんですよ。
はちみつの小袋をツイッターで紹介したら、大バスり
日本人にはまだマイナーで日本人客はほとんどなく、扉の中に一歩入れば現地在住のそれぞれの国の人が会話をしながら、食べたり買い物をしたりして楽しんでいます。
Googleマップで「エスニック料理」や「外国料理」を検索すると、新安城のあたりにたくさん店が出てきます。「なんか新安城にいっぱい店があるぞ」とスマホを片手に歩いてみると、「何買えばいいんだ、何食べればいいんだ」と未知のものを前にテンションが上がりっぱなしでした。しかも、次から次へと知らない国の店が出てくるわけで。
新安城駅北口を背にすると、左手にバングラデシュの食堂とブラジルの店が並んでいます。ブラジルの店「Brazilian Foods」に入ると、ジュースに調味料にインスタント食品にリングイッサと呼ばれるソーセージが売られています。このソーセージ、いろいろ味があって家で焼くと美味いんですよ。独特な香りのシャンプーや石鹸や化粧品なども売られています。
レジ近くにはブラジルの駄菓子もあって、それを買うのもいい。はちみつの小袋が35円で売られていて、これを子どもたちは口で端を切って吸うんだそうです。これをツイッターで紹介したら、えらいバズりました。
ブラジルショップではちみつの小袋なるものを買う。ブラジル製。洗って隅をかじって吸うらしい。35円 pic.twitter.com/GdEmbKMqhW
— 山谷剛史「移民時代の異国飯」 (@YamayaT) December 4, 2021