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『息子さんが学校の3階から転落しました』

 当日の朝、ヨウヘイさんは登校するのを渋り、起きるのが遅かった。

「部屋に行っても、なかなか起きてきませんでした。急に漫画を読み出したり、ダラダラしていました。本当に学校に行きたくなさそうでした。私は『遅刻しちゃうんじゃないの?』と言って、息子を車で送っていきました。当日、学校で何があったのかはわかりませんが、(自殺の)引き金になったのは、過呼吸になるほどの、前日の副担任からの指導だと思います。そんなことが学校であったとは思いもしませんでした。もし、知っていたら、学校に行かせなかったと思います。どういう言い方をしたら、過呼吸になるのでしょうか」

 当日8時ごろ、ヨウヘイさんを母親が車で学校へ送って行った。一度、母親は家に戻り、8時半ごろ、職場へ向かった。同40分ごろ、職場に着くと、ちょうど携帯電話が鳴った。

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「携帯が鳴ったのは職場の駐車場でした。学校からの着信でした。教頭先生が『息子さんが学校の3階から転落しました。お母さん、すぐに学校へ来てください』と言っていました。上司が『そんな状態で1人で行くのは危ない』ということで、学校まで連れて行ってもらいました。学校に着くと、ちょうど救急車が出たところでした。校長先生が『救急車が診療所に向かった。そっちに行ってください』と(診療所のほうを)指差しました」

 母親は上司とともに診療所へ向かった。

「診療所でどのくらい待ったのかはわからないです。ずっと考えていたのは、『なんで3階から落ちるの?』『落ちたらどうなるの?』『どうなっているの?』ということでした。頭を上げると、教職員が右往左往していました。『何が起こっているの?』と思いながら、ずっと車内にいました」

自殺したヨウヘイさんが読んでいた漫画

「怖くて、息子の顔が見られないでいました」

 その後、診療所から総合病院へ、ヨウヘイさんを乗せた救急車が向かうことになった。

「そこに息子が寝ていました。医師から処置を受けていました。怖くて、息子の顔が見られないでいました。怖いことになったらどうしよう、と思っていました。私は足元に座って、ずっと足をさすっていました。どれだけの時間が経ったのかわかりませんが、気がついたら病院にいました。待合室で待っていましたが、看護師さんに『うちの方には電話しましたか?』と言われ、母に電話しました」

 ヨウヘイさんの祖父母が病院に向かう。祖母は「向かう途中、亡くなるとは思っていませんでした。3階から転落したとなると、歩けないようになるのかも、と思っていました」と振り返る。祖父母が病院に着き、しばらくするとヨウヘイさんは息を引き取った。