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ハイパークルマ社会・沖縄の“ナゾの終着駅”「てだこ浦西」には何がある?

最果ての終着駅#1

2022/05/15

genre : ニュース, , 社会

 那覇といえばご存知国際通りは、県庁前駅から少し南に行ったところがその入口。いくらお酒を飲んでも、モノレールならば安心である。

首里城の横を通り過ぎて、丘陵地を抜けると…

 そのままゆいレールは市街地の中を久茂地川と並んで進む。大きく弧を描くようにカーブしながら安里駅付近からはひめゆり通りの直上を北へ。おもろまち駅は那覇新都心の最寄り駅だ。古島駅からは再び東に進路を変えて、右手には琉球王朝の首里城を望む。首里駅は、2003年にゆいレールが開業した時点での暫定的な終着駅であった。

 2019年になって新規開業、延伸した区間に入る首里駅からは進路を北に取り、ほどなく那覇市から沖縄第4の都市・浦添市に入る。登ったり降ったりを繰り返しながら丘陵地を北上し、正面に浦添城跡の丘が見えてきたところでまたも東へ。そのまま少し進んで短いトンネルを抜けたところが、ゆいレールの終着駅・てだこ浦西駅である。

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 てだこ浦西駅があるのは、浦添市の東端。少し東に行けば西原町に入るという、つまりは市町境に位置している駅だ。モノレールの駅と並んで西原バイパスが通り、東には沖縄自動車道が南北に通っている。さっそく高架のホームを降りて駅の外に出てみよう。

開業から3年、“新築の匂い”が漂ってきそうなターミナル!だが…

 

 さすが、開業から3年も経たない真新しいターミナルの駅前広場。もはや新築の匂いが漂ってきそうなほどの、ピカピカで広々としたロータリーが待っていた。

 

 その傍らには実に立派なしつらえの駐車場。なんでも、1000台も停められるほどの規模だとか。で、あとは…………。これがもう、お世辞抜きに何にもないのである。

 
 

 コンビニやらナゾの雑居ビルやら、それがなくとも小さな住宅や田畑やら、そういうものがどの駅の前にもあるものだが、てだこ浦西駅にはそういった細々としたものすらまったくない。あるのは整備されたばかりの新しいロータリーと駐車場とそれに続く道路。あとはほとんどまったく、空き地ばかりであった。

 てだこ浦西駅、地図の上では沖縄本島南部の内陸部にある駅だが、その実態は文字通りの最果ての終着駅というわけだ。