沖縄返還から50年、ゆいレールは単なる“沖縄唯一の鉄道”ではない

 

 50年前に沖縄が返還されたときも、もちろん鉄道はなかった。復帰後も道路整備が最優先課題のひとつ。ただ、道路整備はクルマ社会の加速に追いつかず、すっかり沖縄の渋滞は深刻な社会問題になってしまった。

 そうした中で、58年ぶりの沖縄の鉄道としてはしりはじめたのがゆいレール。さらに、実現性は別にして、今では那覇と名護を結ぶ鉄道の計画もある。

 こういった歴史を振り返れば、ゆいレールは単なる“沖縄唯一の鉄道”ではなく、半世紀以上の空白を埋めて、確かにケービンと同じ歴史の軸でつながっているものなのである。

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写真=鼠入昌史

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