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レールの上には何やら機関車が!しかしこれは…

 といっても、廃線跡がそのまま遊歩道やなにかで残っているようなことはないから、古い地図と照らし合わせてのまったくの推測をしていくしかない。那覇駅跡からも近い壺川東公園の中には、これまた工事中に発掘されたというケービンのレールが展示されていた。どうやら、ケービンはちょうど公園のあたりを通っていたということのようだ。

 ちなみに、この壺川東公園のレールの上には何やら機関車が乗っている。これもケービンのものか……と思ったが、実際は南大東島でサトウキビを運んでいた“シュガートレイン”の機関車。ちょっと紛らわしい気もするが、どちらも沖縄の近代史を伝える貴重な遺物であることは変わらない。

 

 そのままさらに東に向かい、ケービンはおおよそ国道329号に近いルートを辿っていたのだろう。沖縄自動車道の南風原北ICのあたりを通っていたことも間違いないようだ。畑の中に細い路地が1本通っていて、これが廃線跡だという。ただ、見た目にはごく普通の農道のようなもので、言われてみなければここにケービンが走っていたなど想像も及ばない。

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終点に向かうと…

 そして終点・与那原駅へ。与那原駅は、ケービンの遺構がいちばんわかりやすく残っている場所といっていい。ケービンでは唯一だったというコンクリート造りの駅舎が往時のままに復元され、ケービンに関する資料が展示される資料館になっているのだ。

 

 資料館の展示などを見てみると、与那原駅も例に漏れず沖縄戦ですっかり破壊されてしまった。わずかに9本の柱や骨組みなどが残っており、それを補修して役場や消防署、JAの建物として使っていたという。駅舎として復元し、資料館になったのは2014年のこと。そして2017年には国の登録記念物に登録されている。